6月23日

 @rinakko
 【黒の服飾史/徳井淑子】を読んだ本に追加
 
 “色を女のものとする観念には、男の服装から大きく乖離した十九世紀の女性ファッションと、キリスト教文化圏に根強い女性蔑視(ミソジニー)の観念が大きくかかわっていた。”
 “黒が人間の罪を示す色であり、その罪に向き合う宗教的・道徳的な色である一方で、同じ黒が権威・権力の色となることがある。”
 “漂白された白い下着と白いレース、黒い服に組み合わされた白は、繊細なリネンによって清潔感を演出しながら、権力と権威の表示となった。”
 “なぜ黒が男の服にふさわしかったのか、それは近代産業社会が、黒を好もしいとするプロテスタントの色彩倫理を引き継いだからである。”
 “また、自ら示すことのできない財力は、妻が夫に代わり華麗なドレスによって示すというのが、十九世紀のジェンダー規範であった。”
 “ゆえに男性の黒に対し、色彩をまとった女性という対立の図式が成り立ち、そこにヨーロッパに特有の女性蔑視(ミソジニー)の観念が重ねられたとき、色彩は女性的なものとして嫌悪されることになる。”
 “シャネルの黒いモードが革新的であったと思うのは、黒が男の色として強く刻印されていた時代から間もない時代であるからである。”

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