8月7日(水)のつぶやき(読んだ本、『たけこのぞう』)

@rinakko 15:14
雨が激しいけれど、早めに止んでくれるかしら。か、風も凄いわ…(ちょっと息をのんだ)。
@rinakko 15:22
ん、もう雨脚が弱くなってきた。空も明るい。


@rinakko 15:51
【たけこのぞう/大濱 普美子】を読んだ本に追加

 “まあ、閉じ込められて、おかわいそうに。
 そう言いながら、老婦人の表情は更に喜悦に満ちてきた。” 23頁

 とてもよかった。じわじわと捕り込まれ、水の闇に侵されてていく六篇。おぞましさとほろ切なさの入りまじる話もあれば、不意打ちに心が緩んで涙がとまらなかった話も…。
 雛人形めいた老夫婦の、どこかしら底知れぬ恐ろしさ。繭に包まれた猫の幽霊、古い井戸と濁った水の流れ…に居竦む「猫の木のある庭」。
 主人公と姉、義兄、その娘…。他に縁者もなく、時間の澱んだ古い家の中で、ゆっくりとひしゃげてグロテスクに変容していく姉妹の関係と、死んでなお淡泊な義兄の姿の比が何とも無気味で滑稽だった「盂蘭盆会」。
 真夜中の湯殿の水の光沢に、ぬめりとした女の暗部を垣間見せられる「浴室稀譚」は、タイル敷きの贅沢な浴室の設定(肝心なものがない)が秀逸だった。うろこ模様。
 そして表題作は、身勝手で奇矯な振る舞いをするが才能ある画家の母親松子と、その娘猛子の物語。素晴らしかった。
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