8月7日

 @rinakko
 【夢の死体 (笙野頼子・初期作品集)/笙野 頼子】
 
 再読。“年月が経って薄白く色の褪めて了ったオパールがある。その中には昔から一匹の生物が封じ込められていた。何百年も前にはその水色の半透明な石の表面を破ろうとあがき、生物は石の内側で炎を飛びめぐらせ、プリズムを陽光ごと嚙み砕いて吐き散らしたりした。そうするような憎しみと力とを併せ持っていた。その生物の名前は“虹”と言って、それが苦しんで吐く光を人はオパールのきらめきとして愛でたのである。”

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