3月7日(木)のつぶやき(読んだ本、『賜物』)

rinakko 07:36
おはよございまず。白湯でまたり。うちのPC、いよいよまずい感じ…。


@rinakko 08:36
【賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)/ウラジーミル・ナボコフ】を読んだ本に追加

 面白く読んだ。とても好きだったのは、亡き父親を懐かしんで丁寧に思い出をたどる件。稀有で魅力的な人物像がくっきりと立ち上がってくるので、思わず引き寄せられた。珍かな蝶を追っていくその後ろ姿が、少年だった語り手の手の届かない方へ消えていってしまう切なさ。もう会えない人への慕わしさに、読んでいるだけで包まれてしまう。若者らしい理想と志の言葉が溢れてくる、詩人コンチェーエフとの会話の箇所もほろりとよかった。
 第4章は流石に読み難いものの、主人公が故国の著名人チェルヌィシェフスキーの日記を読み返し、そのばかばかしさ、真面目さ、けだるさ…を気に入ってその生涯を書こうとする流れは好きだ。そこに見出された人生の皮肉も、それを読むことで“肖像画を取り上げられた”人々の反応も興味深かった。
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