4月に読んだ本

4月の読書メーター
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はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))
読了日:04月30日 著者:マンロー・リーフ
とるにたらないちいさないきちがいとるにたらないちいさないきちがい感想堪能したわ。発表された順では、『インド夜想曲』の次にくる短篇集とのこと。行きつ戻りつする過去と今の情景は、次第に揺蕩い重なり合っていく…。取り返しのつかないものへと巨大化してしまった、“ちいさないきちがい”を託ちつつの諦念がやるせない表題作。大人の都合による状況を受け入れられない少女が痛ましい「魔法」、青い海に浮かぶオレンジの皮…鮮やかな色の残像と余韻が後をひく「島」、風変りなガイドブックの存在が印象に残る「マドラス行きの列車」(もとは他作品におけるひとつの章だったらしい)…など。
読了日:04月28日 著者:アントニオ タブッキ
ブローティガン 東京日記 (平凡社ライブラリー)ブローティガン 東京日記 (平凡社ライブラリー)
読了日:04月27日 著者:リチャード ブローティガン
バウドリーノ(下) (岩波文庫)バウドリーノ(下) (岩波文庫)の感想
再読。壮大な法螺話(?)としては下巻からがますます素晴らしい。上巻でバウドリーノが嘯く、“どうせ、何を言おうが、私が言えばそれが真実となる”とか、“私の人生はもはや嘘に捧げられている”という言葉を思い出しつつ。人間同士を戯画化したらしき怪物たちの描き方は、そのやり過ぎ感も含めて面白かった。探求の旅への尽きぬ思い、その果てに見たものと果たせなかったこと、そして最後の最後の謎解きの重みよ…。
読了日:04月26日 著者:ウンベルト・エーコ
バウドリーノ(上) (岩波文庫)バウドリーノ(上) (岩波文庫)の感想
待ってましたの再読。すこぶる面白かった! うおん! 粗野な言葉と王宮の言葉を自在に使い分け、繊細な表現力で驚異に満ちた己の人生を縷々かたるバウドリーノと、どこまでが本当なのかと訝しみつつ耳を傾け続ける歴史家二ケタス。それは、2人が出会った第四回十字軍による殺戮と略奪の坩堝から、少年バウドリーノが皇帝フリードリヒの養子となる経緯にまで時を遡る。パリでの学生生活、生涯の冒険をともにする仲間たちとの語らい、地上楽園のこと、バウドリーノの恋文と詩作、緑の蜜、三賢王の発見、偽りの手紙、聖杯…と読みどころたんもりで。
読了日:04月24日 著者:ウンベルト・エーコ
第四の十字軍―コンスタンティノポリス略奪の真実 (INSIDE HISTORIES)第四の十字軍―コンスタンティノポリス略奪の真実 (INSIDE HISTORIES)
読了日:04月19日 著者:ジョナサン フィリップス
文学ムック たべるのがおそい vol.3文学ムック たべるのがおそい vol.3
読了日:04月18日 著者:小川 洋子,倉田 タカシ,最果 タヒ,高原 英理,今村 夏子,西崎 憲,星野 智幸,山尾 悠子,井上 法子,竹中 優子,永井 祐,花山 周子,杉本 一文,藤原 義也,セサル・アイラ,黄崇凱,相川 英輔,ノリ・ケンゾウ
図説 中世ヨーロッパの暮らし (ふくろうの本)図説 中世ヨーロッパの暮らし (ふくろうの本)
読了日:04月17日 著者:河原 温,堀越 宏一
おどる12人のおひめさま―グリム童話おどる12人のおひめさま―グリム童話
読了日:04月16日 著者:ヤーコプ・ルートヴィッヒ・グリム,ヴィルヘルム・カール・グリム
春昼(しゅんちゅう);春昼後刻(しゅんちゅうごこく) (岩波文庫)春昼(しゅんちゅう);春昼後刻(しゅんちゅうごこく) (岩波文庫)の感想
再読。
読了日:04月16日 著者:泉 鏡花
ビリー・ザ・キッド全仕事 (白水Uブックス)ビリー・ザ・キッド全仕事 (白水Uブックス)の感想
素晴らしい。オンダーチェの言葉によれば、“無法者ビリー・ザ・キッドが書いたという想定でふと思いついた何篇かの詩がはじまり”という一冊。とりわけ詩の部分を読んでいると、凄烈に衝きつけられる荒くれた言葉から、短い人生を燃え尽きさせてしまうまでのビリーの息づかいが直に伝わってくるようで、幾度も痺れた。女には優しく紳士的だった兇漢の不思議な魅力と流す血の熱と、どこまでも追ってくるギャレットとの因縁…そのどれもから眼が離せなくなる。死と隣り合わせの官能、狂気とすれすれの疾走も。リヴィングストーンの件にも射貫かれた。
読了日:04月14日 著者:マイケル・オンダーチェ
図説 金枝篇(下) (講談社学術文庫)図説 金枝篇(下) (講談社学術文庫)
読了日:04月12日 著者:ジェームズ.ジョージ・フレーザー
玩物草紙 (中公文庫)玩物草紙 (中公文庫)の感想
再読。
読了日:04月11日 著者:澁澤 龍彦
世紀の地獄めぐり世紀の地獄めぐり
読了日:04月10日 著者:ディーノ ブッツァーティ
中途の家 (角川文庫)中途の家 (角川文庫)
読了日:04月08日 著者:エラリー・クイーン
白猫亭 追憶の多い料理店白猫亭 追憶の多い料理店の感想
再読。追憶のスペシャルメニュー。食前酒にミラージュ・ボール、前菜は花電球譚(舌)のマリネ、パスタは夜明けのパパゲーノ(スパゲッティ娼婦風)、第一皿は人魚姫の溜息(なげ[き]ヤリイカのローエングリル)……。みて美味、よんで美味。
読了日:04月07日 著者:宇野 亜喜良
人生の段階 (新潮クレスト・ブックス)人生の段階 (新潮クレスト・ブックス)の感想
第一部「高さの罪」から第二部「地表で」は、まるで“気球”譚を楽しむように、気球乗りの恋や結婚、サラ・ベルナールのエピソード、当時の気球事情、ルドンの気球画のこと…など面白く読んだ。そして続く第三部「深さの喪失」で語られるパットとジュリアンの別れ、ジュリアンの幸運(且つ不運)な悲しみに言葉を失う。ありふれていながら唯一無二の死、人それぞれに特異な悲しみ方があることについて。「悲しむ」と「悼む」の問題について。終盤、タブッキの小説に触れている箇所でも思ったが、話しかけ続ける…という感覚は何だか痛いくらいわかる
読了日:04月06日 著者:ジュリアン バーンズ
百年の散歩百年の散歩の感想
素晴らしい。“あの人はきっと来ない”(あの人?)。待ち合わせという目的を伴う場合、散歩は本来の無為を失くす…という微かな懸念が、ベルリンの四季やその都会の風に思いを馳せた先で、するり解かれていく。そういうことか、と。軽やかに自由で孤独な視点から“わたし”が語る、10の通りの眺め。その場に蹲り続けている記憶たちは、耳を傾け得る散歩人を待ち伏せていたかのように袖をひく。誰にも何処にも繋がっていない“わたし”の眼差しに映る、今ある世界の心許なさや身に迫る危険の気配について触れている箇所は、読んでいてざわっとした
読了日:04月05日 著者:多和田 葉子
宇宙の眼 ハヤカワ文庫SF宇宙の眼 ハヤカワ文庫SF
読了日:04月04日 著者:フィリップ・K・ディック

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