10月22日

 @rinakko
 【黒耀宮(泥文庫)/黒瀬 珂瀾】を読んだ本に追加
 
 〈僕たちは月より細く光りつつ死ぬ、と誰かが呟く真昼〉
 〈復活の前に死がある昼下がり王は世界を御所望である〉
 〈わがうちの悲歌を数へて過ごす夜の胸のかけらをしづかに拾ふ〉
 〈少女ふと薄き唇をわが耳に寄せて「大衆(マッス)は低能」と言ふ〉
 〈密猟の牲(にへ)となるべく我が胸に育つ鶫(つぐみ)にマザーグースを〉
 〈月無くて白河夜船 黒猫が人身(ひとみ)で恋を告げに来るとか〉
 〈季節なき……花、一つあり。狂女(オフェリア)はあらぬ薫りに御髪(みぐし)飾りき〉
 〈温室は腐肉で育つ少年はシンビジュームに接吻(くちづけ)されて〉
 〈口許の砂糖舐めとりその耳に閑吟集をささやいてやる〉
 〈人一人美しく破壊する夢を見て一日の休暇の終り〉

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