2月14日

 @rinakko
 【チェンジ・ザ・ネーム/アンナ・カヴァン】を読んだ本に追加
 
 再読。
 アンナ・カヴァンが描くヒロインの、手の施しようもなく凍てた孤独が好きだ。その純度の容赦なさ、周囲を薙ぎ倒しながら欲しいものだけを手に入れていく強さと言ったらどうだ。デズボロー屋敷でシーリアに与えられた、徒に天井の高い部屋の寒々しさがどこまでも纏わりつく。そして母娘の虚ろな連鎖は、母性神話を嘲う。
 シーリアの書いた小説を読んでみたい。まるでアンナ・カヴァン、なのだろうか。

 “現実がゆっくりと彼女から遠のいていき、登場人物たちが形を取りはじめる。影の薄い幽霊たちが力を増して生き生きとした人間になり、彼らの運命が織りなす数奇な人間模様で彼女の意識はいっぱいになった。”

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