5月21日

　@rinakko
　【行け広野へと (ホンアミレーベル)/服部 真里子】を読んだ本に追加
　
　再読。
　〈はつなつの光よ蝶の飲む水にあふれかえって苦しんでいる〉
　〈あなたの眠りのほとりにたたずんで生涯痩せつづける競走馬〉
　〈明晰さは霜月にこそさびしけれスレイマーン、またはソロモン〉
　〈七月は大きな盥（たらい）七月は朝ごとにその瞳を洗う〉
　〈手のひらで耳を覆って夜の部屋ここが熱砂の流れるところ〉
　〈湖を夢に訪れああこれはあなたのために鎖（さ）される扉〉
　〈鉄塔は天へ向かって細りゆくやがて不可視の舟となるまで〉
　〈感情を問えばわずかにうつむいてこの湖の深さなど言う〉
　〈初雪は薄荷の匂いをさせていてわたしの髪にふれるのは誰〉