7月に読んだ本

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:7287ページ

肉屏風の密室肉屏風の密室の感想
堪能した。肉屏風って、それか…と。悪役の女どもがいい!(怖美女)
読了日:7月31日 著者:森福都
十八面の骰子 (光文社文庫)十八面の骰子 (光文社文庫)の感想
再読。
読了日:7月30日 著者:森福 都
真夜中の檻 (創元推理文庫)真夜中の檻 (創元推理文庫)
読了日:7月29日 著者:平井 呈一
貴婦人と一角獣 (白水Uブックス181)貴婦人と一角獣 (白水Uブックス181)の感想
とても面白く読んだ。大阪展に行くのが楽しみ!
読了日:7月26日 著者:トレイシー シュヴァリエ
七悪魔の旅七悪魔の旅の感想
そ、そんな話…と脱力しつつ、面白楽しかった! 大魔王から叱責を受けた七悪魔は、誘惑の任務を遂行するべく地球へ旅立つ。罪の盟主各々が、籤で決められた順に中心実行者となる。一番手は倨傲のルシフェル、標的はジルドレイ夫人。二番手は貪欲のマンモン、舞台はローマ帝国のポンペイ(!) 暴食のベルゼブルは優秀な料理人なのに、常に蠅が周りを飛んでいる。中国の天の神々と諍いを起こしたり、仕事ぶりを地獄のカメラに撮らせたり、乗り物(セイレーン、グリュプス、猿、蛙…)が夫婦になったり結託したり。挙げたら切りがないくらい笑ったわ
読了日:7月25日 著者:ムヒカ・ライネス
妖恋(ようれん) (PHP文芸文庫)妖恋(ようれん) (PHP文芸文庫)の感想
夢幻の美しさで染めあげられたようなね…悲哀と、血の匂いに酔い痴れた。たとえ道筋を変えたとて、遠回りしたとて、たどり着くべくしてたどり着く絶望の淵。恋に捕らわれた女も、男も、叶わぬまま行き違う恋情に身をよじりつつ、その時がくれば、さほど生に執着しないで向こう側へと渡ってしまう。端っから己の命を軽く見なしていたような彼らのことが、切なくて愛おしかった。徒花の散りっぷり。…でも、そうだよね。あえてこちら側に留まることになんぞ、大した意味などないかもね…と、うっかりすんなり納得してしまうのだ。皆川作品を読んでると
読了日:7月24日 著者:皆川 博子
境界なき土地 (フィクションのエル・ドラード)境界なき土地 (フィクションのエル・ドラード)の感想
何度もぞわぞわっとしたけれど、決壊の手前で場面が変わっていくような…。ラストは流石に不気味だった。あと、訳者あとがきで知らされたことの衝撃。ドノソの養女による伝記は、訳されるのでしょうか。まるで狂人…ドノソの生涯って(読みたひ)。
読了日:7月23日 著者:ホセ・ドノソ
マクナイーマ―つかみどころのない英雄 (創造するラテンアメリカ)マクナイーマ―つかみどころのない英雄 (創造するラテンアメリカ)の感想
面白楽しかった! 英雄も神々も兎に角むちゃくちゃ…で、奔放な展開に全く予想がつかない。副題があまりにも言い当てているのが、いっそ痛快で可笑しいくらいだった。でも、訳者あとがきの言葉によると、“労働の崇拝にもとづくあらゆるモラルに反撥を覚え”、“名誉ある怠惰はパンを得るための日々の不健全な奮闘よりも優れたもの”とする〈ブラジル〉像は、とても興味深い。大らかで淫らで豪快にはみ出していて、惹きつけられた。この世でのつとめを終えた者たちが、空に昇って“お星さま”になるという件が好きで、優しく胸に響いたことよ…。
読了日:7月22日 著者:マリオ ヂ・アンドラーヂ
修道師と死 (東欧の想像力)修道師と死 (東欧の想像力)の感想
重苦しく幾度か暗澹としたが、ずしりとした読み応えは忘れ難い。オスマン帝国時代のボスニアを舞台に、イスラム修道師の手記として描かれ、苦渋に満ちた物語。罪を犯すはずがないのに、投獄された弟のこと。救出への苦心。家族の情の淡さ。イシャークと名付けた逃亡者の影。開けっぴろげな親友の存在…。やがて遂に堰を切ったように、導師のどす黒い憎しみは溢れ、育ち、膨れあがる。そも語り手アフメド・ヌルディン(信仰の光)は、なぜこれほどに孤独で、闇の中に心を隠したまま生きているのか…と、不思議だった。その答えはなかなか見えてこない
読了日:7月20日 著者:メシャ セリモヴィッチ
わたしのなかのかれへ―全エッセイ集 (1970年)わたしのなかのかれへ―全エッセイ集 (1970年)の感想
少しずつ読んでいた。デビューから10年分の全エッセイなので、『精選女性随筆集』に収められたもの以外はほぼ初読。興味深い内容だった。「女性講座」「愛と結婚に関する六つの手紙」「ビュトールと新しい小説」「ロレンス・ダレルとわたし」「記憶喪失」…。などなど。
読了日:7月18日 著者:倉橋 由美子
戦国幻野―新・今川記 (講談社文庫)戦国幻野―新・今川記 (講談社文庫)の感想
面白く読んだ(でも長かったー)。
読了日:7月15日 著者:皆川 博子
フレンチ警部とチェインの謎 (創元推理文庫 106-5)フレンチ警部とチェインの謎 (創元推理文庫 106-5)
読了日:7月12日 著者:F.W.クロフツ
失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫)失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫)の感想
乙女たちの群そのもの…まるで連なり合うように一人一人の区別がつかない少女たちの群そのものに、心魅かれる主人公。視覚だけで少女たちを捉えている始めの段階が、先へ先へ引き延ばされていくようで、その辺りの心情が興味深かった。“個体がほとんどそれ自体では存在せず、個々のポリプよりもむしろそれらを構成するポリプ母体によって形づくられる原始的な有機体のように、少女たちはたがいにくっついたままだった。”(396頁) ポリプ母体…。
読了日:7月11日 著者:プルースト
迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉までの感想
想像をかきたてる珍かな料理本。名だたる面々が迎えられているのも楽しく、写真がとても美しいので、愛でてお腹が膨れたつもりになった。河童の河太郎の瓜と川魚づくしいいなぁ…。玄奘三蔵に“ほうれんそうの万頭”(前菜)、ドラキュラに“ラムボールの赤いザワークラフト煮込み”(メイン)、ファーブルに“なすのマリネ てんとう虫見立て”(前菜)、トルストイに“イラクサのシチュー”(メイン)、ジェロニモに“サボテンのステーキ 穀物のサラダ添え”、南方熊楠に“高菜のサンドイッチ”(ご飯物)。…いろいろ見ていると語感が美味。
読了日:7月9日 著者:河合 真理
皆川博子コレクション2夏至祭の果て皆川博子コレクション2夏至祭の果ての感想
キリシタン弾圧を扱った表題作は、流石の重さ。ずしり…受けとめつつ。キリシタンの信仰には共感できないが、かと言って弾圧者の側に立つことも拒否する。どこに身を置こうとしても、馴染めず心が弾かれている。そんな市之助につきまとう違和感と孤独には、身につまされるところがあった。迷いも疑いもない人々を羨む一方で、決して自分がそこへは入っていかないことを知っている…。妖しく小昏い短篇も、とてもよかった。とりわけ好きなのは「風の猫」、「土場浄瑠璃の」や「黒猫」。「冰蝶」は、「花闇」に前身があったのか…と。
読了日:7月9日 著者:皆川 博子
聖ペテロ祭の殺人 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)聖ペテロ祭の殺人 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)
読了日:7月8日 著者:大出 健,エリス・ピーターズ
孤児の物語2 (硬貨と香料の都にて) (海外文学セレクション)孤児の物語2 (硬貨と香料の都にて) (海外文学セレクション)の感想
至福の素晴らしい読み応え。またここへ来よう、また彼らに会おう…と言い聞かせなければ、本を閉じることも出来ない余韻。果てなく隣り合わされ結ぼれていく物語をたどりたどり、いったい幾つの不思議や驚きの扉をくぐっただろう。愛と悲しみの続きに後ろ髪をひかれつつ…。始めに語りだすのは〈七〉と名乗る若者。かつて〈薔薇の円屋根〉を誇った都シャドゥキアムは廃れ、マロウという街になりはてた。そこで〈七〉は髪のない女の子と知り合い、象牙色の硬貨が何を原料に鋳造されているかを目の当たりにする…。上巻からの繋がりも嬉しい読みどころ
読了日:7月5日 著者:キャサリン・M・ヴァレンテ
カルトローレカルトローレの感想
再読。5年ぶり。隅々まで大好き。天空に姿を隠した長寿の集団の失われゆく物語と、魔よけの丹念な刺しゅうで身体とタマシイを守る人々の物語とが、ひそかに響き合う。素敵で不思議でうとりうとり…。布や衣装、細密な刺繍やクロシェの描写が多いのも、糸偏好きには堪らない。かつて《船》に乗っていた青年タフィは、きび色の沙地の見渡せる土地へ移ってきた。組合の奨学金をえた彼は、《船》から回収された日誌の調査を任されたのだが、そこにインクの痕跡はなく…。それこそ繊細な紗のように、解けそうで解けない秘密が物語を包む。その見事なこと
読了日:7月2日 著者:長野 まゆみ
HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)の感想
素晴らしい読み応え。題材に魅力があるのは言うまでもないが、何といっても、まさかこんな〈小説〉を読むことになろうとは予想だにしなかったので、読み始めてしばしで驚嘆し、それが賛嘆の思いに変わり作品にひき込まれたことが、一等忘れがたい。自己弁護できない人物を、“操り人形のように動かすことほど破廉恥なことがあるだろうか!”という考えに立脚して書かれた歴史〈小説。そこに作者自身の葛藤が絡まってくるのが、何とも妙味。パラシュート部隊の登場から先は、作者の思い入れも相俟って目の離せない展開。のめりこみめりこみ読み耽った
読了日:7月1日 著者:ローラン・ビネ

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 8月24日(土)の... 8月26日(月)の... »