1月29日

 斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』を読んだ。 
 
 大変に好みな短篇集。
 血の臭気に塗れて悍ましくて酷くて、それでも…容赦のない美しさが胸を衝く。人の嗜虐性や暴力、痛覚、身体改造などへの拘りからも目を逸らせなくなる。
 そして “物語に淫した” という言葉にぎくっ、射竦められた。

 とりわけ好きだったのは、表題作や「ドッペルイェーガー」(これ、男女が逆だったらあの話…)、「痛妃婚姻譚」(絢爛に飾り立てられた搾取、怖過ぎる)、「本は背骨が最初に形成る」(“焼くのが先か──”)。

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