6月18日(木)のつぶやき(読んだ本、『愛の世界』 再読)

@rinakko 05:19
【愛の世界―ボウエン・コレクション/エリザベス ボウエン】を読んだ本に追加

 再読。初読時は前の2作品に比べると印象が薄かったので、こういう話だったか…と今回あらためて面白く読んだ。第一次世界大戦に参戦した後のアイルランドのこと、半ば廃墟と化したビッグ・ハウス…という設定も興味深くて、少し小昏い雰囲気に魅かれた。
 話の要となるリリアとアントニアの関係は、愛とも友情ともいえない女同士の分かりにくい絆として描かれている。その年季の入った皮肉な繋がり具合といい、ボウエンならではだなぁ…と感じ入った(そしてその間にはある秘密が…)。あと、見えない小妖精を連れ歩く、恐るべき次女モードの造形にも瞠目した。まさに花開かんとする美しい20歳のジェインが、従兄ガイの名前を口にしたあとその姿を見る幻想的な場面は、やはり忘れがたい。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 6月17日(水)の... 6月19日(金)の... »