5月18日(水)のつぶやき(読んだ本、『コスタグアナ秘史』)

@rinakko 10:48
【コスタグアナ秘史 (フィクションのエル・ドラード)/フアン・ガブリエル バスケス】を読んだ本に追加

 すこぶる面白く、ぐんぐん読めた。コロンビア史を題材とする点で『物が落ちる音』と共通しているが、曰く“見えない糸で結び付けられた” ジョゼフ・コンラッドと主人公の関係(2人の人生には奇妙に呼応する法則があったと…)を小出しに仄めかす展開に、まんまと乗せられる。言葉の端々から滲み出す罪悪感と喪失の悲哀、そしてコンラッドへ向けた憤りの理由とは何なのか。
 訳者あとがきによれば、『百年の孤独』に影響を受けつつ距離を置くぞ…という姿勢の作家。きっちりとコロンビア史を語りながら、主人公の行く末とその過酷な宿命からも気を逸らさせない。
 (先日読んだ『プラハの墓地』で、パナマ運河スキャンダルのことに少しだけだが触れている箇所があったので、おおっ…となって探した。このときドリュモンの書いた本ね…。)
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