4月22日

 ダンテ・アリギエリ/原基晶訳『神曲 天国篇』を読んだ。
 
 まず、行き届いた各歌解説が素晴らしかった。
 ダンテの抱いた神の真理に近付くことへの絶望の深さが、この作品を書かせたのかと思うと気が遠くなる。
 (神学的理論と哲学用語が頻出する詩…)

 以下、解説からの覚書。
 神がいる至高天は満たされているので静謐であり、原動天(天使の世界)は最も至高天に近いので神を最も欲し最速で回転する。その愛ゆえに天体は神と一体になろうとして回転する。
 自由意志は神から人類への「最大の贈り物」で、神との契約(誓願)は自由意志の放棄で成立する。
 神の本質は知性であり、その知性による認識から自由意志による神への愛がもたらされるとされ、その結果、天上と地上の愛の照応関係が成立する(ゆえに、教皇達が神の調和の表現である法を無視するのは駄目)。
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