4月8日

 ダンテ・アリギエリ/原基晶訳『神曲 煉獄篇』を読んだ。
 
 引き続き、素晴らしい各歌解説のお蔭でとても面白い。

 以下、解説からの覚書。
 ダンテは地獄のような世界を糾弾し、その報われない現実の中で人はいかに生きればよいのかを考察している。
 煉獄篇は〈友情篇〉という別名を持つ(友情をもとにした調和の世界の再構築)。
 第九歌から主題と表現が更に高度化し、読者にアレゴリー的解釈を呼びかけている。
 愛と自由意志との関係の前提に、タブラ・ラサ「白紙」理論がある(神がそこに“第一概念”を書き込む)。

 第21歌から第26歌までの主題は詩。
 可能的知性(事物の認識を可能にする能力としての知性)があって初めて人は神と対話できる。そしてダンテはその対話を〈愛〉と呼ぶ(〈愛〉の捉え方の違い→清新体派からの決別)。
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