8月6日(木)のつぶやき(読んだ本、『薔薇の血潮』)

@rinakko 09:29
【薔薇の血潮 上 (創元推理文庫)/タニス・リー】を読んだ本に追加
@rinakko 09:30
【薔薇の血潮 下 (創元推理文庫)/タニス・リー】を読んだ本に追加

 どぷり、おどろおどろを心ゆくまで堪能した。絢爛な血みどろと残忍な官能が濃厚に満ちたタニス・リーならではの世界ではありつつ、原始宗教とキリスト教(本作ではクリストゥス教)の関わりをみっちりとどす黒く描いているところに読み応えがあった。
 生贄を捧げられた〈樹〉と十字架、磔刑、薔薇、林檎と蛇のイメージが幾度も繰り返される中、最も鮮烈で凄まじいと感じたのが“血”の描かれ方だ。葡萄酒に置き換えられない“血”そのものがおびただしく流され、底知れぬ場所へ注ぐようにごくごく…という描写は本当に野蛮で、魅入られる怖さだった。
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