4月22日(水)のつぶやき(読んだ本、『アラバール戯曲集〈2〉』)

@rinakko 14:34
【アラバール戯曲集〈2〉建築家とアッシリアの皇帝 (1985年)】を読んだ本に追加
 
 収められた6作品中(短いものは2頁)、目当てだった「迷路」と「建築家とアッシリアの皇帝」がよかった。子供じみた邪気のなさが却って不安をかきたてる、グロテスクで不条理な恐慌の祭典。「迷路」の舞台上は、縦横無尽に交錯させた紐に沢山のシーツと毛布が吊るされ、それがそのまま全体を占める。迷路と化した大庭園の一部分という設定で、既に尋常でない眺めにひき込まれた。
 「建築家とアッシリアの皇帝」は、2人の繰り広げるごっこ遊びが続けられなくなり、皇帝の一人芝居が始まるあたりからざわざわと気持ち悪くて目が離せなくなった。そんなに淋しがるなんて…と思いつつ、孤独に苛まれて我を失った人の姿がただ滑稽に明け透けに見せつけられるのも、ぞわり…恐ろしくて辛い。
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