7月24日(水)のつぶやき(読んだ本、『妖恋』)

@rinakko 20:59
【妖恋(ようれん) (PHP文芸文庫)/皆川 博子】を読んだ本に追加

 夢幻の美しさで染めあげられたようなね…そんな悲哀と、血の匂いに酔い痴れたわけさね。たとえ道筋を変えてみたとて、遠回りをしたとて、きっとたどり着くべくしてたどり着く絶望の淵。恋に捕らわれた女も、絡みつかれた男も、叶わぬまま行き違う恋情に身をよじりつつ、その時がくれば、さほど生に執着しないで向こう側へと渡ってしまう。まるで端っから己の命を軽く見なしていたような彼らのことが、切なくて愛おしかった(だからこそ魅かれあうのか…)。徒花の散りっぷり。
 …でも、そうだよね。あえてこちら側に留まることになんぞ、大した意味などないかもね…と、すんなり納得してしまうのだ。皆川作品を読んでいると。
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