6月8日(金)のつぶやき(読んだ本、『カンポ・サント』)

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【カンポ・サント (ゼーバルト・コレクション)/W.G. ゼーバルト】
 コルシカをめぐる四つの散文作品が、とても素晴らしい。ゼーバルトの言葉に、ふるりと心が震える。かと思えば、と胸を衝かれる。とりわけ「聖苑」は、墓地がなかなか普及しなかったコルシカでの特異な埋葬の風習を語り、通夜における嘆き女たちの愁嘆歌の空疎さに触れながら、“人類という壊れ”について容赦なく淡々と抉る筆致が胸に迫った。妬み深い死者がうろつき、“死にお仕えをする特別な人間”がいると信じられてきたコルシカ…。
 「海上のアルプス」の中の、『ジュリアン聖人伝』に読みふける件も忘れがたい。そして短い「かつての学舎の庭」で、慰撫されるような流れだった。ナボコフやカフカ、ブルース・チャトウィンに寄せた散文も興味深い内容である。

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