5月に読んだ本

5月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4019ページ
読んでた本の数:1冊

▼読んだ本
燃焼のための習作燃焼のための習作
とてもよかった。雑居ビルの事務所に枕木と助手の郷子さん、依頼人の客。激しさを増す雷、篠突く雨に降り込められた一室で、相談とも雑談とも名付けがたい、ただしみじみと不思議な味わいの会話がえんえん…。肝心なはずの依頼については尻切れ蜻蛉な雰囲気で、どんどん話が逸れていく。宿なしのビフィズス老を按じつつ、生きものの死骸のことや似非マダムのこと、《モガンボ》のステーキ、そしてビスケット事件…。泣いたらいいのか笑ったらいいのか…という最後の章が素晴らしく、慈雨のような温かさが胸に沁み渡っていった。切なく愛おしい人の縁
読了日:05月31日 著者:堀江 敏幸
皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)
おおお面白かったー!
読了日:05月30日 著者:ジョン・ディクスン・カー
倉橋由美子 (精選女性随筆集)倉橋由美子 (精選女性随筆集)
読了日:05月29日 著者:倉橋 由美子,小池 真理子
パトロネパトロネ
表題作も面白いと思うが、「いけにえ」を読んだら完全に持っていかれた。凄い。杉田久子56歳、怖ろしい。“そのやり方は違う”“私ならちゃんとしてあげられるのに”って、…ててて!(登美乃箱、形無し…)
読了日:05月21日 著者:藤野 可織
25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)
読了日:05月18日 著者:市川 春子
秘密(トップ・シークレット) 8 (ジェッツコミックス)秘密(トップ・シークレット) 8 (ジェッツコミックス)
読了日:05月18日 著者:清水 玲子
論理は右手に (創元推理文庫)論理は右手に (創元推理文庫)
これも面白かったー! 次作が楽しみ。
読了日:05月17日 著者:フレッド ヴァルガス
草迷宮 (岩波文庫)草迷宮 (岩波文庫)
読了日:05月15日 著者:泉 鏡花
春昼(しゅんちゅう);春昼後刻(しゅんちゅうごこく) (岩波文庫)春昼(しゅんちゅう);春昼後刻(しゅんちゅうごこく) (岩波文庫)
読了日:05月14日 著者:泉 鏡花
墓地の書 (東欧の想像力)墓地の書 (東欧の想像力)
“みんながぼくを尊敬している(ほかにもいろいろ)ケフィアはとても健康にいい(ほかにもいろいろ)”、ピオネールのスカーフがぼくのだけオレンジ色っぽい…云々かんぬん。エピソードの一つ一つを振り返ってみるとそれなりに興味深く面白いのに、サムコ・ターレの何とも言えない粘着性の強い語り口に辟易すれすれ…な読み心地だった。だんだん不気味になってくると言うか、同じ場所をぐるぐる回っているような錯覚に陥りそう。黒い嗤いの中で時々ぞくっと背筋が寒くなるのは、この時代のスロヴァキアの重苦しさが滲んでいるのか…と思いつつ。
読了日:05月11日 著者:サムコ ターレ
雪と珊瑚と雪と珊瑚と
こんもり緑に囲まれる『雪と珊瑚』は、本当に素敵だ。ただ私には、しん…と静かな心持ちで寄り添うように読めるところと、一歩退いてしまうところが入り混じった話では、あった。食が大事なのは分かっているつもりだが。自分にも周囲にもきちんと向き合いながら、よりしなやかに、よりしたたかに生きていく為の術を身に付けていく過程。正解があるわけではないと知りつつ、それはいつまで続くのだろう。そんなことを、ぼんやり思った。あと、珊瑚の頑なさは凄くわかる。きっと私もそう考えてしまうだろうな…と思う箇所が幾つかあった(良くも悪くも
読了日:05月10日 著者:梨木 香歩
バラルダ物語 (福武文庫)バラルダ物語 (福武文庫)
うーむ、面白かった。いささか無頼な私小説だな…と思いつつ読み進めていくと、少しずつ景色がぐんにゃりと歪んで夢か幻みたような怪しかる様相を呈しだす。その“ぐんにゃり”加減が堪らなかった。己自身をA・B・Cと三個の個性に分けてみて、三人(!)を旅に送り出してしまう“僕”の話「吊籠と月光と」。旱魃に見舞われた村の水車小屋での奮闘を描く表題作。言うことを聞かない図太く頑迷な驢馬の耳腔に、往時の夢を諄々と囁き、自作のBallad(うまおいうた)をホメロス調で朗吟しながら必死で掻きくどく…「ゼーロン」。など。
読了日:05月09日 著者:牧野 信一
雲をつかむ話雲をつかむ話
とても面白かった。そしてタイトルがあまりにもぴったりに思えて、くすりと笑ってしまった。ベルリンで小説家として暮らしている“わたし”は、かつてそれと知らずに警察に追われている若い男に会い、後に監獄で書かれた手紙を受け取ったことがある。そんな彼女は、本当に罪があるのかどうかはわからないものの、ある事件の犯人とされる人々のことや、“人が人を閉じ込めるという現象”が、何故か気になって仕方がない。その関心へと思惟がいつも流れていってしまう…。色々な“犯人”が現れる中、紅田とマヤの軋轢を描いた章には圧倒され、戦慄した
読了日:05月08日 著者:多和田 葉子
カメレオンのための音楽 (ハヤカワepi文庫)カメレオンのための音楽 (ハヤカワepi文庫)
何とも言えず薄らと不気味、とろみのある水に呑まれていくような不安な味わいがとてもよかった。表題作と「窓辺のランプ」「手彫りの柩」「うつくしい子供」が好き。表題作は短いが、カメレオンの場面だけでほう…と溜息が零れた。「窓辺のランプ」は、猫と読書好きなお婆さんの住む田舎家に一宿した“私”の話。ぎりぎりまで隠された狂気が明らかになる落としどころで、びりびり痺れる。「手彫りの柩」では連続殺人事件が扱われ、視点が限られた語りで無力感が募る。「うつくしい子供」の、ふうっとかき消えてしまいそうなマリリン・モンローの姿…
読了日:05月07日 著者:トルーマン カポーティ
死体が多すぎる ―修道士カドフェルシリーズ(2) (光文社文庫)死体が多すぎる ―修道士カドフェルシリーズ(2) (光文社文庫)
面白かったですー! 1巻を読んでから二年も開けてしまったので、次はも少し早く手にしたい…。
読了日:05月02日 著者:エリス ピーターズ

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