10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6186ページ

▼読んだ本
これはペンですこれはペンです
面白かった! 奇想の限りを尽くし…とでも言いたくなる、風変わりな手紙を送り続ける叔父と、それらを受け取ってはメールで返事を書く姪とのやり取り。なのだが、叔父の手紙の中には、読解に最新技術を要する内容のものも…。何となればその叔父は文字通りの文字で、閉じ込め症候群で、疑似論文生成プログラム研究の先駆者で、あるのだからして(うう)。ふと我に返ると、私は何を読んでいるのかしらん…?と、何とも不思議な気持ちになった。ただ文字を追うのが楽しくて快感で、頭の中に嘆声が響きまくるような読み心地だった。中華鍋の件が好き。
読了日:10月31日 著者:円城 塔
密林の語り部 (岩波文庫)密林の語り部 (岩波文庫)
素晴らしい。特に終盤の驚嘆が忘れがたい。これをただ尊いと言い切ってしまっていいのだろうか…という、痺れるような畏怖だった。アマゾンのインディオの魂のあり方や世界観の真髄、身内に起こった出来事も、語り部に息を吹き込まれ脈動する物語の中に、それら全てが詰まっている。その物語の力によって、一つの共同体として繋ぎ合わされているマチゲンガ族。語り部に惹かれた語り手の回想の章と、語り部が話す物語の章とが、交互に配されている。そのまま耳を澄ましたならば、不思議な捻髪音をあやつる語り部の声の響きを聴けそうな気がしてくる。
読了日:10月28日 著者:バルガス=リョサ
チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス)
読了日:10月27日 著者:惣領 冬実
チェーザレ 破壊の創造者(5) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(5) (KCデラックス)
読了日:10月26日 著者:惣領 冬実
チェーザレ 破壊の創造者(4) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(4) (KCデラックス)
読了日:10月26日 著者:惣領 冬実
不滅 (集英社文庫)不滅 (集英社文庫)
 大変大変、面白かった。滔々と尽きないクンデラ節に幾度となく笑いつつ、仕舞にはお腹がいっぱいになる読み応え。ふー。
読了日:10月26日 著者:ミラン・クンデラ
ファウスト〈1〉 (新潮文庫)ファウスト〈1〉 (新潮文庫)
読了日:10月23日 著者:ゲーテ
チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)
読了日:10月22日 著者:惣領 冬実
チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)
読了日:10月22日 著者:惣領 冬実
チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)
読了日:10月22日 著者:惣領 冬実
ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)
読了日:10月21日 著者:エドガー・アラン・ポオ
楽園の犬 (ラテンアメリカ文学選集 7)楽園の犬 (ラテンアメリカ文学選集 7)
とても面白かった。が、泥臭さに悪酔いしそうだった。中世スペインの、野蛮で蒙昧な人々の姿。倦むまで貪る官能も凄まじく、何ともいえないおぞましさに満ちていた。不能王の異母妹と王女の継承権をめぐる争いから、イサベル1世とフェルナンド5世の夫婦による共同統治へと至る話、楽園への野望にとり憑かれたコロンの物語。更に、太陽に血を捧げる民族が住むアステカ王国やインカの高官の話…など。イサベルを取り巻く愛憎劇が面白かったので、後半の展開に驚いた。時空を超える航海と新大陸の発見だが、痛烈なコロンブス批判として読めるのだ。
読了日:10月20日 著者:アベル ポッセ
ブエノスアイレス食堂 (エクス・リブリス)ブエノスアイレス食堂 (エクス・リブリス)
面白かった!全篇に渡り次から次へ差し出される、創意工夫に富んだ絶品料理の数々には、思わず想像を逞しゅうしてしまった。そして、アルゼンチン・ノワールという響きも素敵だけれど、本当に真っ黒でよかった(ぽわん)。“セサル・ロンブローソが人間の肉をはじめて口にしたのは、生後七ヶ月のころのことだった”…と始まるこの物語は、イタリア移民の兄弟が開いたブエノスアイレス食堂そのものの年代記…とも読める。政情の不安定な国で、しだく歴史の波に翻弄されていく移民の姿が、食堂の住人たちの入れ替わりの中で見事に描き出される。 
読了日:10月17日 著者:カルロス バルマセーダ
チャパーエフと空虚チャパーエフと空虚
読了日:10月14日 著者:ヴィクトル ペレーヴィン
水蜘蛛 (白水Uブックス)水蜘蛛 (白水Uブックス)
表題作の「水蜘蛛」って、つまりは・・・・なのだが、それが水蜘蛛の変化というところで何とも言えない味わいを醸していて、凄く妖しくてとてもよかった。ベアリュの挿画も気持ち悪くてぴったりだし、水蜘蛛のナディと妻カトリーヌの間で揺らぐベルナールの苦悩は、なかなか面白かった…(酷い)。でも実は、たった3頁の「読書熱」がすこぶるお気に入り。“もっと用心すべきだったのだろうか。妻が口癖のようにこう繰り返していたのに。「また本に頭を突っこんでいる!」”と始まる小篇なのだけれど、大いに笑った。
読了日:10月12日 著者:マルセル ベアリュ
ポルトガリヤの皇帝さん (岩波文庫)ポルトガリヤの皇帝さん (岩波文庫)
冷たい手をかざしたくなる、哀しくも優しい物語。温かでやわらかな、生まれ立ての娘っ子がおかれたせつな、ヤンのその胸は経験したこともない早鐘を打ち始めた。その日から冴えない農夫ヤンは別人になり、惜しみなく愛情を注いで娘クラーラ・グッラを育てあげる。だが、美しく成長した娘が出稼ぎから一向に帰らないとなると、ヤンの心は、世間の噂からは耳を塞ぎ、ポルトガリヤの女王様の帰還を待つ皇帝の物語を紡ぎ出してそちら側に住むようになってしまう。正直なところ、ヤンの愛情は娘にはちょっと重いかもね…とも思ったが、終盤は素直に泣いた
読了日:10月11日 著者:ラーゲルレーヴ
ラピスラズリラピスラズリ
再読。“その名をビザンチンよりもはるか東方では啓蟄と呼び、西では復活と呼ぶ”。夢のように綾なす物語の糸を、うっかり途切らさぬように…と読み解してみる。それでもやはり、出口のない迷宮にも似たこの作品の美しい造りは、硬質な耀きの元、謎は謎のままで完璧に閉じている。と、そのことにあらためて瞠目した。なんて素晴らしい。少女たちの胸元に揺れる銅のメダイ、青衣の聖母、眠りを見守る人形たち。冬を知らぬまま儚くなるトビアと、冬に固くなった可哀相なトビ。見えるようで見えないかそけき連なりは、そのままそこにあるのが美しい
読了日:10月07日 著者:山尾 悠子
大理石大理石
“一個の好色漢”と設定された作中人物フェレオル・ビュックが、婚約者をほっぽり車で旅をしている。イタリアの青い海と焼けつくような太陽、陽光の中のうたたね。海岸から湖、そしてまた海へと。旅先では時に驚くべき奇想のオブジェ(例えばヘルマフロディトゥス像の大規模な模造は、凝った仕掛けの内部に入れる…とか)に出会い、時に死の劇場の見物人に混じる…。幾度となく繰り返される鮮烈な海の描写と、徐々にグロテスクな様相を帯びていく死のイメージとの組み合わせがあまりにも激しくて、くらくらするような読み心地だった。
読了日:10月06日 著者:マンディアルグ
移民たち (ゼーバルト・コレクション)移民たち (ゼーバルト・コレクション)
素晴らしい読み応えだった。ユダヤ人墓地を訪れた語り手の、“なにを考えればよいのかもわからなかった”という言葉が響いて離れない。幾度となく私も途方に暮れながら、深い悲哀の色を滲ませた物語たちに惹かれてやまなかった。移民であるという事実が重い意味を持ち、どこまでも彼らに付きまとう。戦争と幻滅によって二度も故国を失くした彼らが、苛酷な現実に向き合うとき、心の中で何かが死んでしまう。そんな不公平な人生があるのか…と、怖ろしくて気が遠くなった。胸ふたぐ思いをじっと抱きしめて、静かな語り口がもたらす心地よさを味わった
読了日:10月05日 著者:W・G・ゼーバルト
ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)
「ティーショップ」の、一つの物語の中で幾つもの扉を開けていくような読み心地が、忘れがたい。着地の場面も素晴らしかった。
読了日:10月03日 著者:ゾラン・ジフコヴィッチ
ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)
流石の面白さでした。そしてこれはやはり、オデュッセウスの性格がツボです(疑りまくりの騙しまくりって……)。アテネもなかなか容赦ないですし。
読了日:10月01日 著者:

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11月3日(木)のつぶやき

04:19 from web
こうきますか…と。早く手にとりたい。http://t.co/BTFFSJdk
06:38 from web
おはよーさん。こーしーにゃう。早めの風邪薬を服んで、二度寝してた。ところで、昨夜は露天風呂で、ファウスト第二部の冒頭を読んでみました。文庫本だったら、どうということもなかったです…。タオルを買ったらビニールの巾着に入っていたので、それに入れて持ち込み。
06:39 from web
それで風邪をひいていたら世話がないのだけれど、その後の過ごし方がいけなかったのかしらん。。
08:19 from web
唐突に思い出したが、夢の中で誰かがアレクサンドリア四重奏を腐していた。なんでやねん。私好きなのに。
10:50 from web (Re: @ayaoshima
@ayaoshima 『アマゾニア』は私も大好きです。何度も読まれているなんて、見習いたいですわん。今月の半ばに新作が出るそうなので、楽しみにしています。ご存じかも知れませんが^^
12:29 from twicca
カキフライ待ちにゃう。

 むふふ…。
 美味でした♪

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