ヤン・ポトツキ、『サラゴサ手稿』

 『サラゴサ手稿』の感想を少しばかり。

 大変大変面白かっただけに、いけずな一冊であった。ポーランドの千夜一夜物語…などと言われたりもするそうだが、実際には66日間の物語であるところを14日分は読める…ということ。

 ナポレオン軍によるサラゴサ包囲戦の際に発見された、イスパニア語による手稿。それは、スペインの騎士アルフォンスが記した奇っ怪千万なる旅の記録であった。
 親衛隊の隊長に信任することになったアルフォンスは、廻り道を拒んで近道をたどりマドリッドへ赴こうとしていたが、越えなければならないシエラ・モレナとは、百千の恐怖におびやかされると語り伝えられている山々である。そこを我が物顔に跋扈するのは、盗賊にジプシーに…人ならぬものども。やがて果敢に踏み込んでいった彼の目の前に、まずは手始めに(?)縛り首にされた盗賊の兄弟の怖ろしい姿が現れるのであった…。
 謎が謎を呼ぶ傍らで、物語はさらなる物語をどんどん引き寄せていき、こみ入った入れ子の綾な様相を見せてくれる。アルフォンスが知りあう人出会う人悉く、待ってましたとばかりに自前の物語を語り始め、それをまたアルフォンス君も嬉々として聴きたがったりするものだから本当に切りがなくってそれがすこぶる面白かった。通り過ぎてきたはずの首吊り台の下で何度も同じように目を覚ましながら(いきなり骸と添い寝していたり…とか)、怯えるでも懲りるでもない主人公の惚けた豪胆ぶりも可笑しい。
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5月16日(月)のつぶやき

06:29 from web
おはようございます。こーしーなう。ねむいですにゃ……。お弁当のおかずがW巻き物だわー(巻くの好き)。
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