バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

Runx転写因子がIL-4産生を抑制‐新規アレルギー疾患治療薬開発に期待

2007年08月20日 | NEWSクリッピング
 RunxがT細胞でのインターロイキン‐4(IL-4)の産生を抑制していることが、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫転写制御研究チームの谷内一郎氏らによって突き止められた。IL-4はB細胞に働いて、IgEを産生するB細胞に分化させることが知られており、Runxの活性化などを通して、IL-4産生を抑制することができれば、IgEに由来するようなアレルギー性疾患の治療につながるのではないかと期待されている。成績は、米国科学雑誌「The Journal of Experimental Medicine」に掲載された。 薬事日報 2007-08-20

植物体の着色制御遺伝子、およびその利用

2007年08月20日 | からだと遺伝子
出願番号 : 特許出願2006-22132 出願日 : 2006年1月31日
公開番号 : 特許公開2007-202425 公開日 : 2007年8月16日
出願人 : 独立行政法人農業生物資源研究所 外2名 発明者 : 門脇 光一 外3名

発明の名称 : 植物体の着色制御遺伝子、およびその利用

【課題】
植物体の着色を制御する遺伝子の提供を課題とする。より詳しくは、植物体もしくはその種子の着色を制御する遺伝子、および、該遺伝子を発現し種子が着色した植物体(形質転換植物体)の製造方法、さらに、該遺伝子の発現を改変することにより、種子の色を制御する方法の提供を課題とする。
【解決手段】
植物体の着色を制御する機能を有するRcおよびRd遺伝子を同定することに成功した。これらの遺伝子を植物体内において発現させることにより、例えば、白米を赤色米・褐色米等へ改変することができる。また、本発明の方法によって、タンニン類が蓄積された植物体もしくはその種子を作出することが可能である。タンニン類が蓄積されたコメは、機能性食品として有用である。さらに、これら遺伝子の発現を抑制させることにより、有色米を白米へ改変することも可能である。


発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物

2007年08月20日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願2007-50166 出願日 : 2007年2月28日
公開番号 : 特許公開2007-202562 公開日 : 2007年8月16日
出願人 : 杣 源一郎 外1名 発明者 : 杣 源一郎 外4名

発明の名称 : 発酵及び培養方法、植物発酵エキス、植物発酵エキス末並びに該植物発酵エキス配合物

【課題】安全、かつ、安価に高濃度に免疫賦活物質を含む植物発酵エキスを製造する方法を提供すること。
【解決手段】小麦やリンゴ等の植物に共生しているグラム陰性菌であるパントエア・アグロメランスを用いて小麦粉等の植物成分を発酵させる。植物の持つ免疫賦活作用を著しく増強することが可能になる。さらに、これらには動物成分由来の不純物の混入の問題がないので安全性が高い。

プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター抑制用の組成物

2007年08月20日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願2006-25748 出願日 : 2006年2月2日
公開番号 : 特許公開2007-204434 公開日 : 2007年8月16日
出願人 : ポーラ化成工業株式会社 発明者 : 福田 寿之

発明の名称 : カフェオイルキナ酸誘導体及びそれを有効成分とするプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター抑制用の組成物

【課題】 特定の植物成分により、プラスミノゲーンアクチベータインヒビター(PAI)を抑制する技術を提供する。
【解決手段】1-ベンゾイル-2-カフェオイル-4,6-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシカルボニルシクロヘキサン及び/又はその塩を有効成分とする、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター抑制用の組成物を提供する。前記1-ベンゾイル-2-カフェオイル-4,6-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシカルボニルシクロヘキサンとしては、4-ベンゾイル-5-カフェオイルキナ酸が好ましく、組成物は血流量を改善する目的で使用されるものが好ましい。


マラリア原虫類の感染予防・治療剤

2007年08月20日 | 生薬・植物成分と薬効 漢方
出願番号 : 特許出願2006-27364 出願日 : 2006年2月3日
公開番号 : 特許公開2007-204450 公開日 : 2007年8月16日
出願人 : 社団法人北里研究所 発明者 : 大村 智 外3名

発明の名称 : マラリア原虫類の感染予防・治療剤

【課題】植物由来の成分を活性物質とするヒト感染性マラリア原虫類(熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫及び卵形マラリア原虫)の感染予防・治療剤の提供。
【解決手段】スイレン科コウホネ(和漢生薬の川骨)より得られるセスキテルペン二量体チオアルカロイド6,6`-dihydroxythiobinupharidineを有効成分として含有するマラリア原虫類の感染予防・治療剤。

C型肝炎治療用組成物、C型肝炎治療剤およびC型肝炎治療用キット

2007年08月20日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願2006-286795 出願日 : 2006年10月20日
公開番号 : 特許公開2007-63284 公開日 : 2007年3月15日
出願人 : 国立大学法人 岡山大学 発明者 : 加藤 宣之 外1名

発明の名称 : C型肝炎治療用組成物、C型肝炎治療剤およびC型肝炎治療用キット

【課題】レポーター遺伝子産物を発現するHCV全長ゲノム複製細胞を用いたスクリーニング方法により得られた抗HCV作用を有する物質を有効成分とするC型肝炎治療用組成物を提供する。
【解決手段】 HCV全長ゲノム複製細胞から得られた治癒細胞を親細胞として、レポーター遺伝子配列、選択マーカー遺伝子配列およびHCV全長ゲノム配列を含むRNAを導入することで、レポーター遺伝子産物を発現するHCV全長ゲノム複製細胞が作製できる。当該細胞を用いたスクリーニング方法により得られた物質がC型肝炎治療用組成物の有効成分となる。

細胞の形態形成を決定する分子機構の研究 -細胞の形作り:動と静-

2007年08月20日 | 生命科学 生物誌
報告名称 研究者 大矢 禎一
 所属: 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻

報告概要 細胞の形態は細胞骨格の空間的配置に加え,菌類や植物では細胞壁の合成パターンと性状により決定される。近年,細胞骨格の構築と運動過程の分子レベルの理解が飛躍的に行われたが,細胞壁の合成制御機構と形態形成の決定機構については十分な解析が行われなかった。我々は出芽酵母の出芽過程をモデル系として,遺伝子学的及び細胞生物学的手法を用いて細胞壁形成の分子機構の解明を目指した。その結果,細胞壁合成酵素がダイナミックに細胞膜上を移動することを発見した(図1)。細胞壁合成酵素はアクチンの重合と連動して出芽部分の細胞膜上を移動し,移動できなくなると形が異常な細胞壁が形成される(図2)。さらに細胞壁合成酵素の上流で働く制御因子として,既に我々は低分子量GTPaseであるRholpを明らかにしていたが,新たなRholp修飾酵素,スフィンゴ脂質,膜内存在のタンパク質等が合成酵素の活性調節に直接関与することを明らかにした(図3)。J-Store >> 研究報告コード R013000017

細胞死から見る線虫の発生メカニズム

2007年08月20日 | 細胞と再生医療
研究者 杉本 亜砂子
 所属: 東京大学大学院理学系研究科生物化学

報告概要 線虫Caenorhabditis elegansの胚発生過程においてプログラム細胞死に異常を示す突然変異体を複製分離・解析し,そのうち2つについて原因遺伝子を同定した。tDf6染色体欠失変異体では異常に大きな死細胞が生じる。この表現型はRhoファミリーに対するGTPase activating protein(GAP)であるCYK-4の機能欠損によるもので,巨大な細胞死は細胞質分裂不全によって生じた多核細胞に由来することを明らかにした(図1)。また,細胞死の起こるタイミングが遅れ(図2),形態形成にも異常を示すcdl-1変異体の原因遺伝子は,ヒストンmRNA の3' 非翻訳領域に特異的に結合するStem-loop binding protein(SLBP)をコードする遺伝子の相同遺伝子であることを見いだした。cdl-1遺伝子産物はヒストン発現制御を介して染色体の高次構造に影響を与えることから,cdl-1変異体における細胞死の遅れは染色体凝縮の異常に依存している可能性が示唆された(図3)。J-Store >> 研究報告コード R013000018

ウナギが解き明かす精子形成の謎

2007年08月20日 | 生命科学 生物誌
研究者 三浦 猛
 所属: 北海道大学大学院水産科学研究科生命資源科学専攻・生命機能学講座

報告概要 ウナギを実験材料として,精子形成の制御機構の解析を行った。ウナギの精子形成過程でユニークな発現変化を示す因子のcDNAクローンを35種類得ることに成功し(表1),これらの因子をそれぞれ精子形成関連因子:eSRS 1~35と名付けた。これらの因子と精子形成の制御との関係を検討した結果,eSRS34は,精原幹細胞の増殖の制御に(図1), eSRS1(アクチビンB)とeSRS21Aは精子形成の開始の制御(図2)に,eSRS22は精子成熟の制御にそれぞれ内分泌の支配を受けて作用することが明らかとなった。 J-Store >> 研究報告コード R013000021

DMPK遺伝子とHD遺伝子のトリプレットリピート配列近傍の新規シスエレメント

2007年08月20日 | からだと遺伝子
報告名称 DMPK遺伝子とHD遺伝子のトリプレットリピート配列近傍の新規シスエレメント及びその特異的結合因子の同定

研究者 田中 一則
 所属: 科学技術振興事業団 国際共同研究事業 神経遺伝子プロジェクト

報告概要 CTGリピート近接領域に結合するトランス作動性因子の探索により,ブタ精巣から抽出した核および細胞質分画から8種の特異的な結合活性を見いだし,DMPK遺伝子のCTGリピートの近位側の3つの異なる領域に結合することがわかった。 新規のシス作動性エレメントとそれに関連するトランス作動性因子の存在を初めて示した。ヒトHD遺伝子の5上流域に結合する調節因子の探索を行い,ヒト精巣由来のcDNAライブラリーから新規蛋白質をコードする3つのポジティブクローン(クローン2,8,11)を得た。クローン2と8は結合領域解析,推定アミノ酸配列に基づく構造的特徴や細胞内局在解析から,HD遺伝子の新規転写調節の候補因子であることが示唆された。クローン11は結合領域解析からCAGリピートの近傍配列に結合する可能性が高く,ほぼ精巣のみで発現していることから,HD遺伝子のCAGリピートの不安定性に関わる候補因子であることが示唆された。 J-Store >> 研究報告コード R013000048