シイタケLentinus edodesの多糖質はβーグルカン。乾シイタケの強い香りはレンシオニンという成分ですが、生シイタケには、この物質は ほとんどありません。生シイタケを乾燥するときの熱によって作られる。
シイタケの機能成分 tp://www.kinokonet.com/syoku/kinou/kinousei.htm, 呈味成分は5’-グアニール酸塩。鰹節の呈味成分のイノシン酸とともに核酸系調味料として知られる。旨み調味料グルタミン酸との相乗効果を含め、国中明博士が恩賜賞を受けるほど日本独自の調理科学のジャンルでは活気的な話題を集めた。
国中,明 |
うま味調味料 日本醤油研究所雑誌 13(3) 91-102,(1987) |
田口久治先生。親爺の友人の寺本四郎先生の一番弟子です。大阪大学を退官され間もなくお亡くなりになりました。吉田敏臣博士(阪大OB)、三村精男(山梨大学教授)など多くのお弟子さんを発酵工学界へ送り、生物工学國際交流センターICBiotechの創設に尽力され、私の記憶では初代のセンター長でもあったと思います。 友人の前田、島住さん(旭化成OB)たちとL-グルタミン酸発酵http://riibs.hp.infoseek.co.jp/gluacid.pdfの仕事で直接ご指導戴いた。
のちに福井化学工業(現在:レンゴウ)との2-ketogluconic acid発酵の仕事でも多くのアイデアを戴いた。父の後輩で、最も実験学的に交誼のあった友人の一人でもある。
茸類、とくにシイタケの深部培養(通気攪拌式バイオリアクター)に成功した研究グループで飾らない風貌で研究室にこもっていたとき、なぜか父と一緒にお会いしたこと、いまでも記憶に残っている。
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第1報) 椎茸菌(Lentius edodes)の増殖に影響するする2,3の要員について 吉田敏臣・田口久治・寺本四郎 醗酵工学雑誌、43, 325 (1965)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第2報) 椎茸菌(Lentius edodes)の呼吸に及ぼす酸素の影響について 吉田敏臣・清水達雄・田口久治・寺本四郎 醗酵工学雑誌 43 901 (1965)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第3報)The oxygen transfer within the pellets of Letinus edodes. T.Yoshida,T.Shimizu,H.Taguch and S.Teramoto., J.Fermentation Technology.,45 1119 (1967)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第4報)椎茸菌(Lentius edodes )の菌塊内における呼吸ならびに代謝活性の分布について 吉田敏臣・田口久治・寺本四郎 醗酵工学雑誌 46 110 (1968)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第5報)椎茸菌(Lentius edodes )の糖代謝および多糖類生産 醗酵工学雑誌 46 125 (1968)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究 (第6報) 高速度子実体形成きのこの検索とSchizophyllum communeの栄養条件 大山義朗・吉田敏臣・田口久治 醗酵工学雑誌 54 131 (1976)
◇Basidiomycetesの深部培養に関する研究(第7報) Schizophyllum communeの菌糸令と子実体形成 大山義朗・吉田敏臣・田口久治 醗酵工学雑誌 54 136 (1976)
これら文献に残された吉田先生(バンコック在住)たちの研究がバイオの時代のキノコ関連有用物質の生産システムの実用化。遺伝子工学が導入されるバイオテクノロジーへと繋がっていく。
Hideki Kinoshita, Yoshinori Maki, Ryohsuke Nakai, Kikuo Sen and Hiroshiro Shibai:
Competitive amino acid transport between L-tryptophan and other aminio acids in Schizophyllum commune, J. Biosci. Bioeng.,92(6), 556-559 (2001).