バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

世界で初めて卵巣由来の幹細胞分離に成功

2007年08月06日 | 細胞と再生医療
- マウス卵巣から性ホルモン産生細胞の幹細胞を発見、培養技術を確立 -

 生命にとって子孫を残す生殖は種の存続をかけた重要な営みとなっています。しかし、生殖を担う精子や卵子がどのように形作られていくかは、いまだ不明な点が多い状況です。とくに、卵子の発生メカニズムは、卵子を作り出す幹細胞を卵巣から取り出すことができず、解明が難しいとされていました。理化学研究所 プレスリリース 2007-07-17

死細胞の貪食による免疫寛容誘導のメカニズムを解明

2007年08月06日 | 医療 医薬 健康
- 臓器移植時の拒絶反応や自己免疫疾患などの治療に期待 -

 細菌やウイルスなどの異物を攻撃して、侵入をくい止める免疫反応は、私たちを作り上げている自分自身の細胞を攻撃しません。この仕組みを「自己免疫寛容」と呼びますが、そのメカニズムははっきりとわかっていません。
 自己免疫寛容が制御できるようになれば、自己免疫疾患や臓器移植で問題となる拒絶反応、さらにアレルギー性疾患など、免疫反応の異常が引き起こす病気の治療に役立ちます。理化学研究所 プレスリリース 2007-07-27

「マイクロRNA」によるタンパク質合成阻害の仕組みを解明

2007年08月06日 | 生命科学 生物誌
- mRNAの翻訳が抑制される過程を試験管内で再現することに成功 -
 生命は、遺伝子の設計図をもとにつくられるタンパク質によって、営まれています。タンパク質合成は、まず、DNA情報がいったんmRNAに転写され、次に、mRNAがタンパク質の合成工場である「リボソーム」と会合し、リボソームがmRNAの情報に従ってアミノ酸をつないでいく(「翻訳」と呼びます)、というものです。これは、すべての生物の基本の仕組みです。 理化学研究所 プレスリリース 2007-08-01

脳機能にリンクした局所酸素およびグルコース代謝のリアルタイム計測

2007年08月06日 | 創薬 生化学 薬理学
報告概要 2次信号と神経活動との相関の全体像を多角的に検討する上では,複数の2次信号ならびに神経活動を生理学的条件下で同時に計測することが戦略のひとつとしてきわめて重要と考えられる.我々は局所の神経活動に伴って生じる血流変化をレーザードップラー法により計測すると同時に,ヘモグロビンの酸素化脱酸素化を光信号によりとらえることで,脳組繊における酸素およびグルコース代謝を神経活動とともにリアルタイムに計測評価することに成功した.その結果局所脳血流の変化は脱酸素化より1秒以上遅れて生じることなどが明らかとなった(図1).また,グルコース代謝を単一細胞レベルでリアルタイムにの観察評価を行うことを目的として,新規蛍光標識2-デオキシグルコース(2-DNBG)をグルコースプローブとして,ほ乳動物細胞に対する取り込みを観察した.その結果2-DNBGは,グルコーストランスポーターを介して特異的にとりこまれることが確認され,引き続いて起こる細胞機能とともに計測することに成功した。 J-Store >> 研究報告コード R013000490

成熟脳組織の試験管内における代謝活動維持に関する基礎的条件

2007年08月06日 | 細胞と再生医療
研究者 山田 勝也 山本 亘彦 外山 敬介 小川 哲朗
研究実施機関 京都府立医科大学第二生理学講座
秋田大学医学部生理学第一講座

報告概要 試験管内でスライス状の大脳皮質視覚野と視床外側膝状体とを共培養し,皮質各層における細胞の電気生理学的膜特性と神経伝達の発達について調べたところ,膜特性は正常皮質と類似した成長を示した。受動的な膜特性の変化は浅層の方が大きく,また深層の方が成熟の時間経過が先行して進んでいることが考えられ,層特異的な発達のメカニズムが培養下でも作用することが示唆された。神経伝達も正常に類似した発達を示した。興奮性伝達における各受容体の寄与が培養日数の経過により層特異的にしかも正常に変化したことは,少なくとも興奮性アミノ酸受容体の発現にはパターン化された感覚入力が必要ないことを示唆している。幼弱期に取り出した脳組織は通常の培養条件下で神経細胞の機能的成熟が可能であり,その活動を長期維持できることが明らかとなった。幼弱期の組織と異なり,完全に成熟した組織を試験管内に取り出す場合には,通常の培養条件下での維持は困難であったが,組織の代謝環境を整えることで長期にわたり維持できる可能性が示唆された。 J-Store >> 研究報告コード R013000491

成熟脳組織培養法の検討

2007年08月06日 | 細胞と再生医療

報告名称
研究者 山田 勝也
 所属: 秋田大学医学部

研究実施機関 秋田大学医学部

報告概要 脳の組織代謝活動を維持しつつ生体外に取り出すという目的で行われてきた方法として切片状に取り出した脳組織の組織培養法がある。成熟動物の脳組織を培養することを目的として,成熟ラットの大脳皮質を従来よりはるかに薄く(100-150μ)切り出し,通常の培養液で培養した。その結果,約1週間にわたって一部神経細胞の生存維持が可能であることがわかった。次に培養雰囲気中酸素分圧のコントロールと培養液灌流の効果を検討した。高低濃度の酸素分圧いずれでも組織の変性は避けられなかった。生体外に取り出した脳組織に対して培養液を連続的灌流してやることにより神経細胞の萎縮変性が防止でき,また神経活動も維持される可能性が明らかとなってきた。そこでこれらを無菌下で行い,培養液の溶存酸素やpH,グルコース濃度などを計測しつつ,神経活動を記録することができる脳組織灌流維持装置を開発し,現在本装置を利用して最適培養条件を探り,成熟脳組織培養法としての確率を目指している。 J-Store >> 研究報告コード R013000501

EGFレセプター細胞外ドメインの構造解析

2007年08月06日 | 医療 医薬 健康
研究者 小木曽 英夫
 所属: 理化学研究所・ゲノム科学総合研究センター,タンパク質構造・機能研究グループ
金 載勲
 所属: Center for Cellular Switch Protein Structure, Korea Research Institute of Bioscience and Biotechnology
齋藤 一樹
 所属: 理化学研究所・ゲノム科学総合研究センター,タンパク質構造・機能研究グループ

研究実施機関 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業
理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター

報告概要 EGFレセプターとEGFとの複合体の立体構造をX線結晶解析を用いて解いた。まず,結晶化に先立ち,EGFレセプター細胞外ドメインの糖鎖構造を明らかにした。その結果,レセプターの糖鎖は,レセプターのリガンド結合や活性化には直接は関係がないことを示した。EGFレセプターの細胞外ドメインから糖鎖を除いたものとEGFとの複合体の結晶を作成し,その構造を解いた。EGFは,レセプターのドメインI,IIIを架橋するように結合しており,その複合体がドメインIIを背中合わせに沿うような形で二量化していることが明らかとなった。 J-Store >> 研究報告コード R013000512

血糖値低下剤、糖尿病治療・予防剤及びその製造方法

2007年08月06日 | 創薬 生化学 薬理学
国際出願番号 : PCT/JP2005/002309 国際出願日 : 2005年2月16日
国際公開番号 : WO2005/077390 国際公開日 : 2005年8月25日
出願人 : 河合 康雄 発明者 : 河合 康雄

発明の名称 : 血糖値低下剤、糖尿病治療・予防剤及びその製造方法

本発明は、エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・エビウム、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・サリバリウス、エンテロコッカス・ミティス及びエンテロコッカス・イクイヌスより成るエンテロコッカス属細菌群から選択される1種又は2種以上の微生物を有効成分として含有する、血糖値低下剤及び糖尿病治療・予防剤、並びにその製造方法に関する。

β-ラクタマーゼCD4+T細胞エピトープ

2007年08月06日 | 創薬 生化学 薬理学
出願番号 : 特許出願2006-545782 出願日 : 2004年12月14日
公表番号 : 特許公表2007-519400 公表日 : 2007年7月19日
出願人 : ジェネンコー・インターナショナル・インク 発明者 : ハーディング、フィオナ・エイ 外1名

発明の名称 : β-ラクタマーゼCD4+T細胞エピトープ

本発明は、親β-ラクタマーゼに比較して低下した免疫原生応答を示す変異体と同様に、β-ラクタマーゼCD4+T細胞エピトープを提供する。本発明はさらに、β-ラクタマーゼをより低下した免疫原生にするための方法と同様に、新規なβ-ラクタマーゼ変異体をコードするDNA分子、新規なβ-ラクタマーゼ変異体をコードするDNAを含む宿主細胞を提供する。さらに本発明は、野生型のβ-ラクタマーゼより免疫原生の低下したこれらのβ-ラクタマーゼ変異体を含む様々な組成物を提供する。

フィンガープリンティングを使った食品・医薬品の化学的および治療的価値の標定方法

2007年08月06日 | 医療 医薬 健康
出願番号 : 特許出願2006-550496 出願日 : 2005年1月28日
公表番号 : 特許公表2007-519921 公表日 : 2007年7月19日
出願人 : カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ 発明者 : ダダラ,ヴィジャヤ,クマール 外1名

発明の名称 : アニメーション化クロマトグラフィック・フィンガープリンティングを使った食品・医薬品の化学的および治療的価値の標定方法

本発明は、食品および医薬品の化学的および治療的属性および品質の標定の方法を提供する。本発明は、薬および生命体における体液の化学的および治療的標定のために使用される伝統的な諸方法を薬およびその成分の物理化学的属性と相関させるのを容易にする、クロマトグラフィック・フィンガープリンティングの方法を提供する。本方法は、薬および生命体に関わるエネルギーの定性的および定量的分析のために、そしてエネルギー系を使う生命体におけるさまざまな生化学反応を理解するために使用される。本発明は、前記目的のために使われる物質の化学的および治療的品質の評価の伝統的な方法を理解するための合理的な基礎を与える。本発明はまた、天然および合成性の食品および医薬品の化学的および治療的価値を示す原子および分子属性とともに、pH、温度、粘性および媒質のイオン性といった因子の影響を提供する。血液のような生体試料の分析は、健康および有病の臨床的な病理条件の評価のための、本方法の有用性を示した。これは、種々の分析、分離および検出方法によって試料を分析したのちに生成される3Dのアニメーション化されたエネルギーボックスの種々の特徴を使って、よりよい薬発見、薬のモニタリング、薬の目標送達および薬のプロファイリングを容易にする。