Anti-allergic Action of Tea (Camellia sinensis)
山本(前田)万里・立花宏文:月刊バイオインダストリー 2006年4月号
茶は様々な機能性を有しており,エステル型カテキン,カフェイン,サポニンといった茶葉成分には抗アレルギー作用が報告されている。その中でも強い活性をもつ成分としてメチル化カテキン,ストリクチニンが知られており,メチル化カテキンを多く含む品種である「べにふうき」の研究が進んできた。メチル化カテキンの作用機作は,マスト細胞上の高親和性IgEレセプタ発現を抑制し,情報伝達系を阻害することで脱顆粒を抑制しうることがわかってきた。「べにふうき」緑茶は,渋味の強い香りの良いお茶で,ヒト介入試験で,スギ花粉症軽減効果を示し,特に鼻症状,目のかゆみを改善した。またストリクチニンは,IgE産生を抑制する物質である。このような新たに見出された茶葉中の抗アレルギー成分も含め,茶葉の抗アレルギー作用について概説する。
【目次】
1. アレルギー発症の機序と茶のアレルギー抑制作用
2. 新たな茶葉中抗アレルギー物質
2.1 メチル化カテキン類
2.2 ストリクチニン
3. 「べにふうき」とは?
山本(前田)万里・立花宏文:月刊バイオインダストリー 2006年4月号
茶は様々な機能性を有しており,エステル型カテキン,カフェイン,サポニンといった茶葉成分には抗アレルギー作用が報告されている。その中でも強い活性をもつ成分としてメチル化カテキン,ストリクチニンが知られており,メチル化カテキンを多く含む品種である「べにふうき」の研究が進んできた。メチル化カテキンの作用機作は,マスト細胞上の高親和性IgEレセプタ発現を抑制し,情報伝達系を阻害することで脱顆粒を抑制しうることがわかってきた。「べにふうき」緑茶は,渋味の強い香りの良いお茶で,ヒト介入試験で,スギ花粉症軽減効果を示し,特に鼻症状,目のかゆみを改善した。またストリクチニンは,IgE産生を抑制する物質である。このような新たに見出された茶葉中の抗アレルギー成分も含め,茶葉の抗アレルギー作用について概説する。
【目次】
1. アレルギー発症の機序と茶のアレルギー抑制作用
2. 新たな茶葉中抗アレルギー物質
2.1 メチル化カテキン類
2.2 ストリクチニン
3. 「べにふうき」とは?