バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

茶葉の抗アレルギー作用

2006年03月30日 | 腸内細菌 プロバイオティクス
Anti-allergic Action of Tea (Camellia sinensis)
山本(前田)万里・立花宏文:月刊バイオインダストリー 2006年4月号

 茶は様々な機能性を有しており,エステル型カテキン,カフェイン,サポニンといった茶葉成分には抗アレルギー作用が報告されている。その中でも強い活性をもつ成分としてメチル化カテキン,ストリクチニンが知られており,メチル化カテキンを多く含む品種である「べにふうき」の研究が進んできた。メチル化カテキンの作用機作は,マスト細胞上の高親和性IgEレセプタ発現を抑制し,情報伝達系を阻害することで脱顆粒を抑制しうることがわかってきた。「べにふうき」緑茶は,渋味の強い香りの良いお茶で,ヒト介入試験で,スギ花粉症軽減効果を示し,特に鼻症状,目のかゆみを改善した。またストリクチニンは,IgE産生を抑制する物質である。このような新たに見出された茶葉中の抗アレルギー成分も含め,茶葉の抗アレルギー作用について概説する。
【目次】
1. アレルギー発症の機序と茶のアレルギー抑制作用
2. 新たな茶葉中抗アレルギー物質
2.1 メチル化カテキン類
2.2 ストリクチニン
3. 「べにふうき」とは?

細菌由来シトクロムP450反応アレイの構築と微生物変換スクリーニングへの応用

2006年03月30日 | 菌類 細菌
Construction of Bacterial Cytochrome P450 Reaction Array and Application to Biotransformation Screening
有澤章・上松仁(メルシャン(株)生物資源研究所)

 細菌に分布するシトクロムP450は,その発現特性と機能多様性から微生物変換プロセスに基づく水酸化体の製造への応用が期待できる。未だ十分に産業利用し切れていない多くのシトクロムP450遺伝子の応用機能を効率的に探索するために発現ライブラリーを構築し,反応アレイとして利用するシステムを確立した。本稿では,その意義と応用的評価について述べる。月刊バイオインダストリー 2006年4月号

【目次】
1. はじめに
2. CYP発現ライブラリーの意義
3. 大腸菌での発現方法
4. 細菌CYP発現ライブラリーの構築とCYP反応アレイの調製
5. CYP反応アレイの利用
6. おわりに 


アスタキサンチンの機能性と応用

2006年03月30日 | NEWSクリッピング
Biological Activities of Astaxanthin and its Commercial Application
山下栄次(富士化学工業(株)ライフサイエンス事業部)

 アスタキサンチンは最近,強力な抗酸化力をはじめ,さまざまな機能性が報告され非常に注目されている。その特徴的な抗酸化作用について,機能性全般,そして眼精疲労など最新の研究報告とその作用メカニズムについて紹介する。また,その応用展開についても今後の展望を交えて述べる。月刊ファインケミカル 2006年4月号
【目次】
1. はじめに
2. アスタキサンチンは強力で安全な抗酸化物質
3. アスタキサンチンの機能性と研究最前線
3.1 眼精疲労回復作用
3.2 糖尿病性腎症進展抑制作用
3.3 作用メカニズムの解明―NF‐κB活性化の抑制
4. アスタキサンチンの応用
5. おわりに―今後の展望

スリランカ伝統アユルベーダ薬草【コタヒラム】

2006年03月30日 | 医療 医薬 健康
スリランカ秘伝のハーブ
「コタラヒム」は、スリランカ原産のトチノキ科のつる性植物。世界でもこの地方にしか自生しない珍しい植物で、現地では古くから薬木として利用されてきた。
かつてセイロンと呼ばれていたスリランカは、紅茶と宝石の産地として知られているが、実は薬草や薬木の宝庫でもある。スリランカには2000種類以上の薬草・薬木があるといわれ、現在も日常生活から医療機関にいたるまで、幅広く利用されている。そのベースとなっているのが、5000年の歴史を持つ伝承医学アーユルヴェーダだ。最近、日本でもオイルマッサージなどでその存在が知られるようになってきた。スリランカのアーユルヴェーダは薬草・薬木を重用するのが特徴で、やく800種類以上のハーブが生活に取り入れられている。その中でも「コタラヒム」はとりわけ貴重な植物として扱われている。
http://www.unijapan.co.jp/index.asp?patten_cd=12&page_no=14

Salacinol, potent antidiabetic principle with unique thiosugar sulfonium sulfate structure from the Ayurvedic traditional medicine Salacia
reticulata in Sri Lanka and India

Masayuki Yoshikawa*a, Toshiyuki Murakamia, Hiromi Shimadaa, Hisashi Matsudaa, Johji Yamaharab, Genzou Tanabec and Osamu Muraokac
Abstract
A most potent natural α-glucosidase inhibitor named salacinol has been isolated from an antidiabetic Ayurvedic traditional medicine, Salacia reticulata, through bioassay-guided separation. The stereostructure of salacinol was determined on the basis of chemical and physicochemical evidence, which included the X-ray crystallographic analysis, and the molecular conformation showed the unique spiro-like configuration of the inner salt comprised of 1-deoxy-4-thioarabinofuranosyl cation and 1′-deoxyerythrosyl-3′-sulfate anion.
Graphical Abstract
A most potent natural α-glucosidase inhibitor, salacinol, was isolated from an Ayurvedic traditional medicine Salacia reticulata. The stereostructure of salacinol was determined by the X-ray crystallographic analysis, which showed the unique spiro-like configuration of the inner salt comprised of 1-deoxy-4-thioarabinofuranosyl sulfonium cation and 1′-deoxyerythrosyl-3′-sulfate anion.

ホスホジエステラーゼ活性を有するポリペプチド

2006年03月30日 | 医療 医薬 健康
出願番号 : 特許出願2000-208610 出願日 : 2000年7月10日
公開番号 : 特許公開2005-229806 公開日 : 2005年9月2日
出願人 : 協和醗酵工業株式会社 発明者 : 宮地 宏昌 外5名

発明の名称 : ホスホジエステラーゼ活性を有するポリペプチド

【課題】ホスホジエステラーゼ(PDE)活性を有する新規ポリペプチド、該PDEポリペプチドをコードするDNA、該ポリペプチドを認識する抗体を利用し、糖尿病、虚血性心疾患、高血圧、腎炎、膵炎、潰瘍、アレルギー、喘息、リウマチ、骨粗鬆症、痛み、不安症、分裂病、躁鬱病、パーキンソン病、痴呆、感染症または悪性腫瘍等の診断、予防または治療のための医薬を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、PDE活性を有する新規ポリペプチド、該ポリペプチドの製造法、該ポリペプチドをコードするDNA、該DNAを組み込んで得られる組換え体ベクター、該組換え体ベクターを保有する形質転換体、該ポリペプチドを認識する抗体、該抗体を用いる本発明のポリペプチドの定量法および免疫染色法、該ポリぺプチドをコードする遺伝子の発現を変動させる物質のスクリーニング法、該ポリペプチドの有する活性を変動させる物質のスクリーニング法および該DNAあるいは該抗体を用いた糖尿病、脳疾患、腎疾患または癌等の疾患の診断、予防または治療のための医薬等が提供される。

デキる脳は発達の仕方に差 米国立衛生研などが解明

2006年03月30日 | NEWSクリッピング
【ワシントン29日共同】知能指数(IQ)が非常に高い子供は、高度な精神活動をつかさどる大脳前部など特定の皮質の発達パターンに独特の特徴があると、米国立衛生研究所などのチームが30日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 7歳ごろには平均より薄い皮質が急激に厚くなって11、2歳でピークを迎え、その後急激に薄くなる。チームは「賢さには皮質の厚さ自体より、成長期の変化の仕方の方が重要らしい」と分析している。

 5歳以上の青少年307人について、磁気共鳴画像装置(MRI)による脳の撮影を、最長19歳まで行った。知能テストを基に(1)IQが特に高い(121-149)(2)高い(109-120)(3)普通(83-108)の3群に分け、年齢に伴う大脳皮質の変化を分析した。(共同通信)>京都新聞2006-03-30