香介と塾に戻る。
香介にすれば誰かに会いたいらしく塾に駐屯し続ける。
いじられるのは星哉と砂保。
厳しい言い方をすれば、いじられるだけの余裕を見せながら勉強しているわけだ。
「集中力がないな」と香介。
さすがに塾の経営者の息子だ、見ているところは見ている。
待つこと5時間、御大越知(4期生・旭洋)の登場。
さらに龍神(17期生・慶応大学法学部3年)が姿を見せ、ため息をつきながらバッグを床に降ろす。
「こら龍神! ここにいる頭が悪い受験生達がため息つくんやったら分かるけど、最もため息とは無縁の大学生がなんでそんなにため息ついて座るんや」と香介節が炸裂。
「いや、先輩・・・実はポップロックが負けてしまって」
「ポップロック・・・競馬かいな」
「先生、法科大学院に進学することに決めました」
「そうか、じゃあ就職は?」
「就職活動はしません」
「それでその頭か」
龍神の頭は丸刈り、在家信者の佇まい。
「いや、これは似合うと思ってこうしたんですよ。で、先生、法科大学院進学を決めたのでもう一度ブログ再開しますよ。ヤフーは使いにくい。今度はグーでいきます」
さっそくパソコンの前に座った龍神、ブログを作り始める。
作ったブログをウチの塾のホームページにリンクを張る。
「龍神、ブログのタイトル何にする?」
「日記・・・シンプルに日記でいいですよ」
かくして龍神のブログ、再開。