先日、読売新聞の『とれんど』欄に「しあわせな中国?」の記事がありました。
内容は、今、中国では「しあわせ中国」の小説が話題を呼んでいると言うものです。
新聞の記事を原文のままご紹介します。
2013年の中国を描いたSF仕立ての小説「しあわせ中国」が話題を呼んでいる。
著者は北京在住の作家、陳冠中氏で、香港の出版社が3年前に刊行した。中国では出版が不可能な状況だが、既に12の言語に翻訳されており、邦訳も最近出た。
2011年に世界的な経済危機が発生し、中国全土で動乱が起きる。軍の弾圧で秩序は回復するが、不思議なことに、大半の中国人は事件の記憶を失い、小さな幸せを満喫している。主人公らがかすかな記憶を手掛かりに真相を探ると言うストーリーだ。
先日来日して会見をした陳氏は「中国の現在を描きかった。北京五輪の後、中国人は清朝以来の盛世(国力が盛んな時代)を迎えたと思っています。」と語った。盛世はこの小説の原題でもある。
経済協力開発機構(OECD)の「幸福度白書」によると、中国の生活満足度は主要40カ国の中で最低水準にある。住民暴動も頻発している。
それでも、この小説が注目されるのは、「幸せな中国」の一面が、リアリティを持って描かれているからだろう。
陳氏は日中関係の質問に対しては「現実の中国の指導者層は、小説に出てくる指導者ほど理性にあふれていない」と慎重に言葉を選びながら答えた。
身の安全に確信が持てず、近年は目立たぬようにしているとも言う。
「盛世」の背後には、かつて魯迅が描いたような混沌(こんとん)の世界が広がっているように思われた。(以上)
汚職が蔓延し、貧富の格差は甚だしく、不満が充満して各地で暴動が発生している中国。
OECDの「幸福度白書」では、生活満足度が主要40カ国の中で最低水準にあると言われている中国で、果たして幸せを感じている人がどのくらいいるのでしょうか?
この小説が話題を呼んでいると言うことの裏を返せば、せめて小説の中の「幸せ」にでもすがりたいという気持ちの表れなのでしょうね。
ミサイルを打ち上げた北朝鮮の国連決議には反対し、領海侵犯や領空侵犯をして経済発展を助けてくれた日本に嫌がらせをする中国。
国際秩序よりも隣人いじめが大切なのか?
困った大国です。