今日は二十四節気の一つ「霜降(そうこう)」です。
そこで、今日は「霜降」と「木枯らし」についてご紹介します。
「霜降」とは、露が冷気によって霜となって降り始める頃のことで、楓や蔦が紅葉し始める頃です。
大阪地方ではまだ霜が降りる頃ではありませんが、今朝のニュースでは、北海道の札幌で今年初めて霜が降りたことが確認されたそうです。
この「霜降」で、暦の上での「秋」も終わり、次の二十四節気は、いよいよ冬の到来を.告げる「立冬」を迎えることになります。
「木枯らしの定義」
通常、「霜降」のこの日から、立冬(今年は11月7日です)までの間に吹く寒い北風を「木枯らし」と呼びますが、気象庁では10月半ばから11月末にかけて西高東低の気圧配置になった時、北よりの8m/s(㍍毎秒)以上の風が吹くと、その風を「木枯らし」と認定しているようです。
そして最初の木枯らしを「木枯らし1号」として発表しています。
この発表は、気象庁による東京地方と、大阪管区気象台による大阪地方に限られており、その他の地方では発表がありません。
また、理論上、木枯らし2号や3号もありますが、発表は行われません。
因みに昨年の木枯らし1号は、東京地方は11月1日、大阪地方は11月18日でした。
「霜降り」を詠んだ和歌を1首ご紹介します。
・「葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き夕(ゆうべ)は 倭(やまと)し思(おも)ほゆ」 志貴皇子(しきのみこ) (万葉集64)
(釈:葦の生えた水辺を行く鴨の羽に霜が降って、こんな寒い夕暮れには大和のことを思います。)
(羽交(はがひ)は、鳥の左右の羽が重なり合ったところです。706年(慶雲3年)に難波宮にいた志貴皇子が、京のことを思って詠んだ歌です。)
(参考)
志貴皇子(しきのみこ)(668年~716年)は、飛鳥時代から奈良時代初期にかけての皇族です。
父は天智天皇(中大兄皇子)ですが、第3皇子とも第7皇子とも言われた皇族だったため、皇位継承とは全く無縁で、政治より和歌などの文化の道に生きた人だった
ようです。