モロヘイヤは「王様の野菜」といわれている栄養豊富な野菜です。
家庭菜園で栽培している私の畑では、今年のモロヘイヤ栽培は既に収穫が終わり、現在は、来年の種蒔き用に種子を育てているところです。
今日は「王様の野菜」といわれている「モロヘイヤ」について調べました。
モロヘイヤは、シナノキ科、コルコルス属(日本名:ツナソ属)の多年草または一年草で、エジプトを中心とする東地中海地域が原産といわれています。
日本には昭和30年代に渡来し、現在では沖縄から北海道まで全国各地で栽培されています。
・花が咲き、新芽の伸長が止まったモロヘイヤです。
モロヘイヤの語源は、古代エジプトで重病にかかった王様がモロヘイヤをスープにして飲んだところ回復したことから、古代エジプト語の「王様の野菜」の意味のムルキーヤという言葉に由来しているそうです。
・花が終わると莢ができます。この中にできる種子を来年用に育てているところです。
モロヘイヤの特徴は、刻んだり、茹でたりすると独特のぬめりを生じることと栄養価が非常に高いことです。
栄養素は、ほうれん草など他の野菜と比べて、カロチン、ビタミンA・B1・B2・Cなどのビタミン類やカルシウム、鉄などのミネラル類を豊富に含んでいます。
・莢は茶色に変色し割れてきます。その頃に取り込み、来年の春まで保存します。
モロヘイヤの豊富な栄養素は、免疫の活性化、ガンや老化の予防、骨粗しょう症の予防、皮膚や粘膜の保護、高血圧や貧血の予防などに効能があるようです。
更に、豊富な食物繊維は便秘改善や肥満、糖尿病、大腸がんなどの生活習慣病の予防に効果が期待できます。
・花の後、たくさんの莢がついたモロヘイヤです。
(参考)
ツナソ(綱麻)とは、繊維素材となるもので、ジュート麻の仲間です。
ジュートとは、黄麻を水に浸して、茎から繊維を削ぎ、乾燥させたもので、コーヒーや綿花などを入れる袋の材料として利用されます。
「モロヘイヤの毒成分について」
愛読者の方から質問がありましたので、モロヘイヤの毒成分について調べました。
モロヘイヤの種子には毒成分のスロトフェチジンという強心配糖体が含まれていることが知られています。
誤って摂取するとめまいや嘔吐などの中毒を起こします。長崎県の農家ではかつてモロヘイヤを食べた牛が死亡するという事例が報告されています。
モロヘイヤに含まれる強心配糖体は、成熟した種子で最も多く含まれるほか、以下の部分にも含まれているそうです。
・強心配糖体が含まれる部分
成熟中の種子
成熟種子の莢
発芽から暫くまでの若葉
・強心配糖体が含まれていない部分
収穫期の葉、茎、根
蕾発生期の葉、茎、根、蕾
野菜として流通しているモロヘイヤ、モロヘイヤ健康食品、モロヘイヤ茶などにも含まれていないことが確認されているそうです。
(以上、食品安全委員会の報告:”植物の毒性について(モロヘイヤ)”より抜粋)
なお、家庭菜園で栽培するときには収穫時期と収穫時に種子や莢が混入しないよう十分注意することと、小児などが誤って種子を口に入れないように注意することが必要です。