計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

バックビルディング型の線状降水帯

2014年07月04日 | お天気のあれこれ
 集中豪雨が発生するメカニズムとして注目されるのが「バックビルディング型」の線状降水帯です。通常、積乱雲は雨を降らせると消えますが、同じ場所で連続して発生し、上空の風に流されると、積乱雲が線状に並び、風下では雨が降り続けるのです。



(イ)すでに対流雲(積乱雲)①が存在し、活発な対流活動を伴っています。



(ロ)対流雲①は風下に流されます。また、対流雲①からは冷気外出流が吹き降りて、下層の風との間で収束します。この収束域では新たな上昇流場が形成されます。



(ハ)新たな上昇流場に伴って対流活動が活発になり、そこには新たな対流雲②が発生します。



(ニ)対流雲①と②は風下に流されます。対流雲②から冷気外出流が吹き降りて、下層の風との間で収束します。この収束域では新たな上昇流場が形成されます。



(ホ)新たな上昇流場に伴って対流活動が活発になり、そこには新たな対流雲③が発生します。



 このような過程を繰り返すことで、対流雲が連続的に発生し、上空の風によって下流側へと流されていきます。まるでベルトコンベアーに乗っている品物のようにも見えます。
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