計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

ひょっとして場違いだった?

2012年07月22日 | 何気ない?日常
 2010年の夏、私は創業セミナーを受講していました。思い起こせば、この会社もこの年の6月に法人化したばかりで、設立時からのスタッフの一人として知識を得たいと思い受講しました。その時の記事がこちらです。

the establish seminor (2010年08月25日)
一週間で書けるかーーっ!! (2010年09月16日)
「飲み会」出るより「セミナー」へ行こう・・・? (2010年09月21日)

 あれから二年近くが経ち、少しずつ「地域の気象情報会社」らしい形になってきました・・・。



 昨日は、2009年度の受講生と2010年度の受講生の合同での勉強会&懇親会に行ってきました。ちなみに・・・2010年度メンバー(つまり私の同期という事になる)は圧倒的に出席率が低かったようです。大多数が2009年度メンバーという事で、私にとっては顔と名前も一致しない状態でした。

 勉強会では何やらこのメンバーで任意団体を立ち上げよう!という話が(いつの間にか)盛り上がっており、その運営についての話し合いだとかで(←聞いてないよ~)・・・私に案内をくれた2010年度の幹事もこの構想について詳細は知らなかった様子で・・・どうやら2009年度メンバーが中心となっての事らしいのです。2009年度メンバーはセミナー終了後も定期的に集まって会合の場を持っていたようで、そこに2010年度メンバーもお誘い頂いた形のようです。

 正確に言うと、この創業セミナーな毎年開催されており(現在は廃止されましたが)、複数年度に渡って参加されたメンバーが橋渡し役となっていたようです。

 このような調子で何が何だか訳が分からないコトが勝手に進んでいるような感じも覚えましたが・・・それはさて置き・・・。



 実は、若干の違和感(場違い感)を感じていました・・・。昨日だけでなく、セミナー当時も・・・。この違和感はなんなんだ・・・今日はずーっと、静かに考えていました。

 私が受講した2010年度の場合は、何か「創業したい、起業したい」という気持ちがあって、自分なりのイメージやビジョン・・・要するに夢のポンチ絵を思い描いて、自分のマインドを高めている段階の受講生が多かったように思います。夢の実現の「入口」の前に立っている段階ですね。「こんな事がやりたいな」と言う段階です。彼等の目指す事業は農業、飲食業、小売業、イベント企画、士業など多彩に渡っていますが、個人事業の形態が多い印象を受けました。このような中で「気象ビジネス」というのは・・・浮いてしまいますね(正直、セミナー受講時の居心地は確かに良くなかった・・・)。

 この当時、私はと言うと・・・会社が法人化したばかりの状態で、それまでに個人事務所の形態をとって活動していた時期もありますから、「これから創業するぞ!」という段階はとうに過ぎており、法人化して「ベンチャー企業」としての方向性をどのように打ち出していくか、事業戦略の方向性をより詳細に煮詰めていく段階に差し掛かっていました。

 根本的な考え方のフレームにも差異を感じていました。例えば、赤ちゃんにとっては家庭の中自分にとっての世界の全てです。これが、小・中・高校生になるとさらに広がって学校やそれに関わる空間が、自分にとっての世界の全てに加わるでしょう。しかし、大学生や社会人になると「自分にとっての世界」のフレームがグワーーッと広がっていきます

 私の会社も局地予報のターゲットにしているエリアはごく限られた範囲ですが、それ以外のマインドは常に全国(さらには世界)を意識しています。解析対象は地方に留まっているとしても、テクノロジーやマインドは全国水準でありたい、と考えています。

 どうせ田舎の会社なんだから、(なあなあの)田舎の基準に留まっていれば良い等と言う甘っちょろい考え方の地方企業は、これからバンバン淘汰されていくでしょう。会社の立地は田舎であっても、意識や目線は常に全国水準~国際水準でなければ、これからは生き残れないのではないか・・・と私は感じています(もとい、戦々恐々の心境です)。その意味では、私の場合は例えば「特定の地域の局地予報については世界一を目指す」と換言すると分かりやすいかもしれません。

 周囲の受講生の夢の話を聞いていると「自分の見ている世界」のフレームが、余りにも身近な範囲に留まっているのではないか・・・と感じました。もちろん、地元や地域の活性化を目指すのは素晴らしい事です。各自が思い描いている夢のポンチ絵に異論を挟むつもりは一切ありません。純粋な心で発想されたアイデアの一つ一つは素晴らしいのです。そこから更なる展望が見えてこないのです。

 そこに、私はちょっと噛み合わないような違和感(=場違い感)を覚えました。敢えて書けば、地元から地元に発信するだけでいいの?地元から全国へ、さらには世界へ発信しよう!って発想はないの?・・・って所でしょうね。



 もう一つ感じたのは、情熱やモティベーションの表現についてです。火山の噴火に例えるならば、プリニー式噴火ハワイ式噴火の違いでしょう。

 メンバーの自分のビジョンを語る時の熱さは凄まじい。爆発的な火山の噴火が連鎖反応の如く発生するような感じです。類似の業種を志す者同士の会話となると一気にヒートアップ。まさにマグマが成層圏にまでぶっ飛びそうな大噴火(プリニー式噴火)!!そこで話の内容を聞いていると、○○やりたい!△△もいいね!できたらスゴーイ!!と言った言葉の応酬であることに気づきます。ちょっと現実的なイメージが追い付かない、頭の中の空想のようなアイデアが交錯する様はまさにブレーンストーミング。私はただ黙って聞いていました。

 今の私は・・・ここまで爆発的な火山の噴火の如く語る事は、まずありません。そこまでハイテンションになる事も・・・まずありません。こう書くと、如何にもモティベーションを失い、やる気の失せた、戦意喪失状態のダメリーマン・・・みたいな感じに誤解されてしまうそうですね。私の場合は、無闇に情熱やモティベーションを表に出すことはしません。決して前のめりになるのではなく、冷静沈着にお話するだけです(ハワイ式噴火)。

 これは、樽に入れたばかりのワインと樽の中で何年もかけて熟成されたワインの違いと換言してもよいでしょう。様々な経験を経るにつれて相手は自分が期待しているほど、自分に興味・関心を持っているわけではないと言う事実を悟っていくでしょう。この事実を知っているかどうかの違いです。「貴方の事業には別に興味は無い」と言う人に向けて一生懸命になって話すのは無駄です。「聞かれもしない」と判っていて、それでも話さなければならないのは面接試験くらいでしょう。「気象ビジネス」に興味を持つ人がいないなら、こちらは聞き手に回るだけです。

 相手が興味を示したとき、満を持して私が話す時が来るでしょう。私がコーチング研修で学んだこと。それは「話す」事ではなく「聞く」事の大切さ。ただ単に、饒舌におしゃべりできれば良いというものではないでしょう。まさしく、巧言令色鮮なし仁



 ・・・ひょっとして・・・場違いだった?

 
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