計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

年越し間際の山形県内の降水量

2021年01月05日 | 山形県の局地気象
 2020年~2021年の年越し間際の山形県内の降水量分布を調べてみました。


 左図が12月31日21時~01月01日06時、右図が01月01日06時~01月01日18時の12時間降水量の分布です。なお、降水量が10mmとなる所を推定して等値線を引いています。

 左図の段階では降水量の極大域(10mm以上の領域)は概ね朝日連峰付近にまとまっています。一方、右図の段階では極大域が内陸側に進出している様子が判ります。

 さて、山形県の南東部に赤丸を付けた地点が米沢です。左図の段階では5mmに留まりましたが、右図では10mmに増加しています。また、米沢における降雪のペースを見ると、大晦日の夜から元日の昼前にかけては概ね0~1cm/hであったのに対し、元日の昼から夕方にかけては2~3cm/hと増す傾向が見られました(図略)。

 この間の上空の風を見てみると、秋田の上空1500m付近の風向・風速は次の通りです。

・31日21時…北 西:16m/s
・01日09時…西北西:16m/s
・01日21時… 西 :19m/s

 風速はそれほど変わっていないものの、風向は北西から次第に西寄りの風に変わっているのが判ります。同じ風速でも季節風の向きが西寄り(西~西北西の間)に近いほど、米沢では雪が降りやすいことが判ります。

 実際、この高度では西北西の風向が出現頻度が高い傾向にあります。そこから北寄りに傾くのか、それとも南寄りに傾くか、さらにその度合いによっても山形県内の降水(降雪)域の分布は変わります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする