計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

確かなニーズはどこにある?

2012年09月22日 | オピニオン・コメント
 現在では、メッシュ状に分割されたエリア単位の細かい予報が簡単に「無料で」見ることができる時代です。

 レジャースポットのピンポイント予報などはもちろん、ピンポイント予報を基にした来客数や品別売上の予測(ウェザー・マーチャン・ダイジング)や健康面への影響の予測(健康天気予報)、工事現場の詳細な雨・風・雷の予測情報等のサービスも次々に実用化され、都市部を中心に大手の気象情報会社によって既に事業化されています。

 また、気象予報士の資格を取得してメディアデビューを果たすケースも少なくありません。「ザイアンスの法則」の視点で考えると、メディアに登場するウェザーキャスターはある意味「最強」です。なぜなら、彼らは「自分自身」が既に「ブランド」であり「付加価値」になり得るのですから。まさに理想的なセルフ・ブランディングの実現ですね。

 そのメリットを最大限に活かした事例として、ウェザーキャスターを多く抱える気象情報会社では、好きな気象予報士(≒ウェザーキャスター)を指名して自分のためだけの独自の天気予報をリクエストできるサービスを提供しています。お目当ての気象予報士から自分だけのためのメッセージも送られてくるとか?当たり前ですが、もちろん有料です。

 以上のような「強者」に対して、私は残念ながら「弱者」の立場。

 そこで、「ランチェスター戦略」(=弱者の戦略)の考え方が浮上します。所謂「一般的な広く大衆受けするような」気象情報ではなく、特別な用途に限定された「ホンの一握りの人のための」気象情報を生み出していく(=ニッチ市場を目指す)方向に発想を切り替えて行かなければなりません。

 そもそも、「気象庁やメディア等の無料の天気予報」と「気象情報会社が独自に配信する天気予報」は何が違うのかと言うと、一番の違いは、前者が「プロダクト・アウト」であるのに対して後者は「マーケット・イン」である事ではないかと思います。

 話は変わりますが、私は中学時代、吹奏楽部に所属してトランペットを吹いていました。そこで気になったのが、トランペット一台当りのお値段。YAMAHAのトランペットについては、こちらのサイトに掲載されています。

 安いものは¥55,650~高いものだと¥409,500

 この価格帯の広さ・・・一体、何が違うのでしょうか?パッと見た感じでは、さっぱりわかりません。どれでもちゃんと吹けば音が出るんでしょ?しかし「その音色」や「吹奏感」がやはり違うようなのです・・・が、私にはわかりません。所詮、私はその程度のレベルです。安い物は工場の生産ラインで作られるが、高級品は職人の手作りだ、と聞いたことがあります。「違いが分かる」というのは相当のレベルの奏者であるという事。「分かる人には分かる」が、「たいていの人」には理解されない。しかし、そこに「確かな付加価値」が存在するのです。

 この「確かな付加価値」を求める「潜在的なニーズ」を如何に掘り起こすか・・・。それが問題だなあ。




コメント
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