計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

視点を変える事でチャンスは開ける

2010年08月26日 | 何気ない?日常
引き続き、前二つのトピックの続きです。

 学習塾の形態になぞらえて、「クラス指導型の事業展開」「個別指導型の事業展開」の2つのモデルを提示し、両者の事業展開やその形態の比較を行ってきました。この二つの概念をもう少し抽象化してみると・・・

【クラス指導型の事業展開】
 ⇒スケールメリットを活かして、同様・類似のサービスを同時に広い範囲の多くのお客様に提供できる形態

【個別指導型の事業展開】
 ⇒限られた範囲のお客様を対象に、各々のニーズを反映しカスタマイズされたサービスを提供する形態

と考える事ができます。

 この両者はもともとビジネススタイルが異なるので、「同じ土俵で戦う」と言う発想は余り馴染まないと言えるでしょう。

 学習塾ではクラス指導型も個別指導型も同じように生徒さんを獲得しようとするわけですから、その意味では互いにコンペティターとなりますが、生徒さんによっては、その両者を掛け持ちして受講すると言うスタイルも可能です。応用問題やハイレベルな入試対策をクラス指導塾で受講し、その授業進度についていけない場合のサポートとして個別指導塾で補習授業を受けるというケース等です。このようなパターンを考えると、両形態の共存の余地はある、と考えられます。そもそも、クラス指導型のサービスを求めるお客様もいらっしゃれば、個別指導型のサービスを求めるお客様もいらっしゃるのが現実です。

 気象情報ビジネスの場合は大抵、気象庁予報で事足りるか、大手企業のサービスが主流として全国各地に普及しているのが実情です。すなわち、気象庁発表の予報や大手企業による既存の事業展開を参考にして、これを模倣したサービスを考えたとしても、結局は大手企業と同じ土俵で戦う事になってしまいます。これはまるで、個人商店が新たに進出してきた大型スーパーに対して値下げ商戦で対抗するようなものですね。

 それならば、むしろ大手企業とは異なる視点での事業展開、または他社による既存のサービスを補完するような分野での事業展開を模索するのも一案ではないか、と考えています。この考え方は、気象情報の分野に限らず、既存の様々な分野における新規ベンチャー企業の創業にも応用できるかもしれません。(気象情報ビジネスの場合は、お客様の抱える潜在的なニーズを掘り起こし、具体化する事の方が難しいのですが・・・)

 ベンチャーに求められる「新しい発想」と言うのは、何も「無から有」を産み出すものではなく、既存の事業に無いものを追加したり、その課題を解決する事で、既存の事業との「棲み分け」を図ると言う発想や視点があっても良いと思います。


コメント
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