軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

静岡大、STARS-EC打ち上げへ

2020-10-16 17:38:07 | ニュース
 静岡大学は、軌道エレベーターの実証実験衛星「STARS-EC」が完成したと発表した。
 STARS-ECは、一辺10cmの立方体のキューブサット(小型衛星)3個から成り、軌道投入後に上下のキューブサットが分離して、間に22mのテザーを展開。
 昇降実験を行うクライマーに相当する、中央部分のキューブサットがテザーを移動し、昇降性能やテザーの挙動、衛星の姿勢などへの影響を検証する。
 2021年の打ち上げを予定しているという。計画を指導する同大の能見公博教授らは、軌道エレベーターの実現やデブリ除去へとつながる技術の獲得を目指したいとしている。
(軌道エレベーター派 2020/10/16)

 
(以下は軌道エレベーター派の雑記です)
 静岡大が中心となって進めている「STARSプロジェクト」の新たな実証実験です。今回は会見の取材に参加できなかったのですが、このプロジェクトの意義や課題については、当サイトの「STARS-Cのミッションと意義」で解説していますので、ご参考にしていただければ幸いです。
 STARS-ECの場合は、これに昇降機の挙動の反作用による、衛星本体やテザーへの影響などの課題が加わると考えていただければいいでしょう。
 
 しかし何より意義深いのは、静岡大がこの取り組みをずっと「続けている」ことだと思います。今回のSTARS-ECと同様の目的で造られたSTARS-Me(てんりゅう)が通信途絶になるなど、これまでに実験がうまくいかなかったことが何度もあるにもかかわらず、今また軌道エレベーターの研究、しかも宇宙空間での実証実験に挑戦していることは、軌道エレベーター派として頼もしい限りです。

 ところで、この計画を主導する能見先生、STARSプロジェクトの実験衛星のことを「軌道エレベーター」って呼んで下さるんですよ。今回の静岡大のプレスリリースも、STARS-ECのことを「超小型軌道エレベーター」と呼称しています。
 だいぶ前に質問したところ、能見先生の定義では、軌道上実験を行う今回の衛星のような、地上に対し非接触のものを「軌道エレベーター」、地上につながっているものは「宇宙エレベーター」と呼び分けているようです。ということは静岡大の皆さん、

 軌道派ということでよろしいですな、あ?(c)青田龍彦
 いや軌道派でなくてもいいから、実験の成功を心より祈念しています。
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