宇宙研究航空開発機構(JAXA)は1日、月面の縦孔地形を放射線の遮断に利用した場合、被曝線量を月表面の10%以下に低減できることが、シミュレーションにより判明したと発表した。
この縦穴は月探査衛星「かぐや」が月表面西側の「マリウス丘」付近に発見したもの。JAXAと量子科学技術研究開発機構、早稲田大学のグループは、同じく月周回衛星のルナ・リコナイサンス・オービターで観測したデータに基づき、月表面と縦孔内部で、月面に降り注ぐ放射線量の比較をシミュレーションで実施。
この結果、月表面の被曝量が年間約420ミリシーベルト(mSv)であるのに対し、縦孔内では19~24mSvになることがわかった。
放射線を扱う仕事の被曝量の基準値は5年間で100mSv以下とされており、JAXAなどは「地上における職業被曝以下の環境が得られる可能性が高く、有人探査や月滞在に向けて安全な防護空間を確保できることを示した」と話している。(軌道エレベーター派 2020/10/3)
(以下は軌道エレベーター派の雑記です)
この縦孔については、過去に当サイトで扱っており、ルナ・リコナイサンス・オービターにも触れたことがあるので、けっこう関心を持っていました。
SF作品でも、月面の居住空間というのは地下に建設されたり、「宇宙兄弟」でモジュールにレゴリス(月面の砂)をかけて覆ったりしていますから、この有用性の一つの証明になりえますね。
またレゴリスなど月面の表面物質には、核融合の燃料になりうるヘリウム3が大量に吸収されており、軌道エレベーターの開発の動機にもなりうるという見方も少なくありません。
何か天体や現象を新発見したとかいう話ではないので、一見地味なニュースに思えるかも知れませんが、宇宙開発を展望する上で貴重なニュースではないかと思います。
月は地球外探査の重要拠点です。間もなく火星が最接近しますが、将来は火星探査のための足がかりにする構想もありますので、こうした研究をどんどん進めてほしいものです。
この縦穴は月探査衛星「かぐや」が月表面西側の「マリウス丘」付近に発見したもの。JAXAと量子科学技術研究開発機構、早稲田大学のグループは、同じく月周回衛星のルナ・リコナイサンス・オービターで観測したデータに基づき、月表面と縦孔内部で、月面に降り注ぐ放射線量の比較をシミュレーションで実施。
この結果、月表面の被曝量が年間約420ミリシーベルト(mSv)であるのに対し、縦孔内では19~24mSvになることがわかった。
放射線を扱う仕事の被曝量の基準値は5年間で100mSv以下とされており、JAXAなどは「地上における職業被曝以下の環境が得られる可能性が高く、有人探査や月滞在に向けて安全な防護空間を確保できることを示した」と話している。(軌道エレベーター派 2020/10/3)
(以下は軌道エレベーター派の雑記です)
この縦孔については、過去に当サイトで扱っており、ルナ・リコナイサンス・オービターにも触れたことがあるので、けっこう関心を持っていました。
SF作品でも、月面の居住空間というのは地下に建設されたり、「宇宙兄弟」でモジュールにレゴリス(月面の砂)をかけて覆ったりしていますから、この有用性の一つの証明になりえますね。
またレゴリスなど月面の表面物質には、核融合の燃料になりうるヘリウム3が大量に吸収されており、軌道エレベーターの開発の動機にもなりうるという見方も少なくありません。
何か天体や現象を新発見したとかいう話ではないので、一見地味なニュースに思えるかも知れませんが、宇宙開発を展望する上で貴重なニュースではないかと思います。
月は地球外探査の重要拠点です。間もなく火星が最接近しますが、将来は火星探査のための足がかりにする構想もありますので、こうした研究をどんどん進めてほしいものです。