ラップフィルム上に残った雪 これを除去する話題です
白い背景は地面の雪
白い背景は地面の雪
昨日の記事ではクリーニングで繰り返し10回程度使用可能と書いた、 そのクリーニングの方法等を書いておく。
試料ステージは降雪中の雪を適量受け止めた後、 撮影装置のレンズの下に置き、 撮影対象の雪の結晶を中心部に来る様にセットしたあとでシャッターを切る様にしている。 その撮影を終えた後、 試料ステージ上には雪がまだ残っている。 その不要となった雪を試料ステージ表面から除去(クリーニング)しないと、 新しい雪の撮影が出来ない訳です。
その際のクリーニング方法ですが、 ガラス板を用いた試料ステージの場合は 「ガラス表面を布切れなどで拭き取る」 そんな簡単な方法でクリーニング出来る。 しかしLP試料ステージの場合、 薄いラップフィルムの表面をガラス板の様に何かでゴシゴシとこすってクリーニングするのはフィルムが破れたりたるみを生じ、適切でない。
それで今回試したLP試料ステージのクリーニング方法を書いて置くことにします。
まず、 クリーニング対象の雪の残ったLP試料ステージの様子をTop写真で示します。 クリーニングは2段階で行います。
第1 ステップ :
LP試料ステージの雪が乗った面を下に向け、 試料ステージの長手方向の片側を手で持ち、 もう一方の片側を何かにぶつけて衝撃を与えると乗っていた雪の大半は落下除去出来ます。
試料ステージへの衝撃を加え、雪を落下させた状態
第2ステップ :
ラップフィルムの表面には1mm を遥かに下回る微細な雪のかけら、または水分的なものが残りました。 この残った不要物はクッキングタオル(紙製)でラップフィルム表面を軽くなでることで、 かなり良好なクリーニングが出来ました。
クッキングタオルでのクリーニングの際にはラップフィルムに凹みが生じる様な方向の力が加わらない様に注意しながら、 軽い力で拭き取りクリーニングをしました。
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さて、 次にタイトルから話題は離れますが、 広い面積をもつ試料ステージ上のどこに良型な雪の結晶が在るか探す際の照明について書いておきます。
雪の結晶の実態は極めて薄い小さな氷で透明な物です。 照明なしで雑多な雪の塊が散らばる中から直径2 mm 程度の雪の結晶を見つけるのは有る種の難しさがあります。 その難しさを簡単にする方法ですが、 極めて薄い透明な氷の特性を利用する方法です。 それは適当な角度から光を当てると光を全反射して「ピカリ」と光って見えることを利用するのです。 具体的には試料ステージを手にして離れた場所に置いた光源からの光をあて、 「反射してくる小さな物体からの光が見えるか?」 を探すために試料ステージの角度をあれこれ傾けながら、 反射光を探し求めると結晶した雪が見つかるのです。
それを実感していただくために、 写真を何枚か用意しましたのでご覧ください。
ラップフィルム上にプラスチック片をダミーの雪を置いた
光を当てて、 反射光を見つける。
ガラス板上にプラスチック片を置いた。
LEDが60搭載されたランプ光源 LEDの個々の光が
邪魔して切片からの反射光を見つけるのを逆に困難にしている。