温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

湯原温泉 たねや旅館

2014年01月19日 | 岡山県
 
湯原温泉での宿泊は、リーズナブルな料金設定、掛け流し、一人客受け入れ可、などの条件を満たす「たねや旅館」でお世話になりました。湯原温泉バスターミナルの裏手に位置する家庭的な小規模旅館であり、川沿いのメインストリートから狭い路地へ入った先に玄関があるのですが、見るからに古くて鄙びている玄関まわりの佇まいを目にした時には、ここは裏口で別に正面玄関があるのではないかと勘違いしてしまいました。お宿には中華料理屋が隣接しており、その店頭に立つ電照看板には「日帰り入浴…」という文字が流れたので、もしやその中華料理屋に入浴できるお風呂が併設されているのか、と淡い期待を抱いたのですが、その実は「たねや旅館」と同一経営であり、日帰り入浴は旅館のお風呂へ案内されるようです。


 
玄関ロビーには宿泊客が自由に読める漫画コーナーがあり、書棚には2000冊以上にも及ぶたくさんの漫画本がギッシリと並べられているのですが、子供の頃から漫画を読む習慣が全く無い私は、残念ながらこれらの蔵書の恩恵に預かることができず…。


 
今回通された客室は2階の和室で、広さ10畳の標準的なレイアウトです。今どき珍しい重い鉄の窓サッシを開けると、その外には甍越しに旭川や対岸の山々が望め、左下にはバスターミナルも目に入ってきました。


 
客室内には洗面台やトイレ(和式)が備え付けられていますので、お風呂以外は客室の中で全て完結でき、共用のものを使わずに済みました。また碁盤もあったので、ビールをチビチビ飲みながら一人で碁を打っちゃいました。このように客室の設備は整っているのですが、総じてかなり古く、また老朽劣化が進行しており、その劣化にメンテナンスが追いついていない箇所が見受けられました。


 
2食付きでお願いした所、夕食・朝食ともお部屋出しでした。まずは夕食から。真ん中に置かれたのは刺し身やカニなどの海産物でして、その左側(画像右or下)に並ぶ2つの木蓋は、釜飯と鍋です。なお、そのお鍋は鶏の水炊きでした。


 
もうひとつの木の蓋は釜飯でして、中身は画像左(上)のような感じ。汁物は私の大好物であるとろろ昆布が入ったお吸い物です。天ぷらは揚げたてを持ってきてくださいました。


 
山間の温泉地なのに、上述の刺し身やカニの他、画像左(上)のような焼き魚まで提供されました。なんだかんだで結構ボリュームがある献立です。ちなみに画像右(下)に写っているのは、こちらのお宿特製である青大豆で作られたお蕎麦なんだそうでして、副菜のひとつとして出されました。



こちらは朝食です。たくさんの小鉢が並んでいますが、それらに囲まれながら玉子・シャケ・海苔といった日本旅館の朝食献立の王道が、英気を求める我が身体に安定と安心をもたらしてくれました。


 
さて肝心のお風呂の話題へ移りましょう。館内には浴室には大きさの違う2室あるらしく、ネット上で温泉ファンの皆さんがレポートされているのは大きなお風呂であることが多いのですが、この日の宿泊客は私一人だけだったためか、その大きなお風呂は使えず、小浴室のみとなっていました。その小浴室は1階のロビー奥にあり、暖簾を潜ってすぐのところにあるコンパクトな脱衣室には、カゴが2つばかり用意されているのみで、その簡素な佇まいからは、旅館というより湯治宿のような趣きを強く受けました。また脱衣室内には窓が無いため換気状態が宜しくなく、後述するように浴室には湯気が籠っていましたので、浴室の扉はすばやく開閉しないといけない状況でした。


 
浴室も民宿のお風呂のようにこぢんまりしており、造りも相当古そうです。室内には岩風呂がひとつ据えられ、シャワーが1基取り付けられています。換気状態が悪いのか室内には湯気が籠って息苦しく、外気を取り入れるべく窓を開けたのですが、その窓枠がかなり傾いでいたので、むやみに開けたことを後悔するとともに、ちゃんと閉まるか不安になってしまいました。



岩風呂は2人サイズで、シャワーの水栓にホースをつなげてお湯を湯船に注いでいます。つまりシャワーの水栓から吐出されるお湯は源泉なのですね。こちらのお風呂は、湯原温泉のお宿では貴重な源泉100%完全掛け流しを実現しており、その投入量は湯船のキャパに対してかなり多く、湯船から洗い場へ惜しげも無くジャンジャン溢れ出ており、実際に湯船に浸かると、その清らかに澄んだクリアなお湯からは、鮮度感の良さが全身から伝わってきました。湯加減は43~4℃ほどでやや熱め、無色澄明でほぼ無味無臭ながら、僅かにアルカリ性泉らしい微収斂が感じられました。また鮮度感の他、アルカリ性泉らしいツルスベ浴感もしっかり楽しめました。


湯原元湯
アルカリ性単純温泉 48.5℃ pH9.09 1718L/min(自然湧出) 蒸発残留物0.174g/kg
Na+:42.9mg(94.44mval%),
Cl-:17.3mg(24.87mval%), HCO3-:27.5mg(22.84mval%), CO3--:25.2mg(42.64mval%),

岡山県真庭市湯原温泉145
0867-62-2201
ホームページ

日帰り入浴可能(料金は要問い合わせ)
シャンプー類あり・ドライヤー帳場貸出

私の好み:★★
コメント
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