スカンク

　うちの玄関先に、スカンクがいた。薄暗かったので、最初は「？？？　犬？？？」という感じだったのだが、よくよく見ると犬ではない。やたらと毛がふさふさしていて、特にしっぽがものすごくふさふさ。黒っぽい毛並みに暗くてもはっきり分かるような白いラインが入っている。かなり驚いた。
　ロサンゼルスは、一方を海、三方を山に囲まれていて、野生動物もたくさんいる。リスやハミングバードなんて、都市部でも普通にいる。私は見たことがないが、オポッサムとかいう巨大なネズミのような動物も、都市部で普通に出るらしい。ロサンゼルス南部の海辺のエリアに野生のクジャクがいることは知っていたが、以前住んでいたウエストLA（思いっきり町中）のアパートの前をクジャクが歩いているのを見た時は、ちょっとびっくりしたけど。
　スカンクも、ハリウッドの山にたくさんいるのは有名な話で、夜、あの辺りの高速道路を走っているとスカンクの異臭がしてくることがある。しかし、さすがに住宅の玄関先に出てこられると、びっくりする・・・。野生のスカンクなんて、当たり前だけど初めて見た。
　翌日の夕方、裏庭で犬が吠えるので行ってみたら、いたいたいたっ！　生い茂った木の根元にスカンクの（たぶん）親子！　子どもがいるから守ろうとしているのか、犬にがんがん吠えられても逃げるどころか向かってくる。すげ～。薄暗くて顔ははっきり見えなかったけれど、ふさふさの毛の塊が動いているのがはっきり分かる。ビデオやカメラを持っていなかったのが実に残念だった。
　さてその翌朝、どうも変なにおいがする。なんとも言えない、異臭だ。近所で何か燃やしているのか？　うちの電気コンロはちゃんと消してあるよな？　しばし「？？？」だったのだが、フト気づいた。スカンクだ！　もちろん夕べの木の根元は、すでにもぬけの殻だ。「イタチの最後っ屁」じゃないが、犬に吠えられてしまったので「スカンクの最後っ屁」を残して立ち去ったのか。あるいはまた暗くなったら戻ってくるのか・・・
　やっぱりちょっと気になるから、今日の夕方はビデオカメラを持って裏庭に出てみようかな。