おねえちゃんの独り言

「おねえちゃんの独り言」のブログ版
(・・・って、そのまんまだけど)

解決策なし

2009-12-26 16:25:26 | Weblog
 今年も間もなく終わりだが、実家の状態は相変わらずだ。いや、母のストレスが蓄積されている分、悪くなっていると表現したほうがいいかもしれない。
 驚異的な回復力と基礎体力で、ゆっくりながらも家の中は普通に移動できるようになった祖母。しかし物忘れがひどくなり、昔のことは覚えているのだろうが直前のことをすぐに忘れる。典型的なボケだ。さらにすっかり幼児退行してしまったらしく、母にまとわりついて母を困らせている。アルツハイマーだなんだと大層な病名がつくようなものではなく、単なる脳細胞の劣化老化。100年近く生きてりゃ、体のあちこちにガタが来るし、脳みそにだってガタが来るだろう。逆に、これまであまりボケずによく頑張ってきたと思うよ。
 しかし、母にしてみりゃ、いい迷惑だ。自分の残り人生だって長くないから、やりたいことは山ほどあるのに、祖母の世話でなにもできない。日常生活の雑事ですら、祖母にまとわりつかれて思うように片付かない。考え方や性格次第で、介護をそれほど大変と思わないタイプの方もいらっしゃるようだが、うちの母は違う。イライラしながらも、ボケ老人相手に怒鳴り散らすわけにもいかず、また怒鳴り散らしたところでどうなるものでもないことも分かっている。必至に自分を抑えて優しく応対しなければならず、それはもう気が狂う寸前だろう。
 12月上旬には、どうにか祖母を1週間(正味6日)の老人ホームのショートステイに送り出し、その隙に母は白内障の手術を受けた。ショートステイが途中で中断するようなトラブルもなく、母の手術もうまくいって順調に回復しているようなのが、せめてもの救いだ。
 祖母は(友だちもいなくなり、自分で出歩くこともできなくなり)1人で寂しいのだから、老人ホームに行けばお仲間がたくさんいて楽しいだろうと思ったのだが、帰ってきて文句タラタラだったとか。しかし母は祖母に内緒で、1月にまたショートステイの予約を入れたらしい。祖母には、早めに言うといろいろうるさいから、直前まで黙っているつもりだそうだ。せめて月に1週間弱の休暇でもなかったら、それこそ本当に気が狂ってしまう。金には換えられない。

 さて、そもそも祖母が老いの坂を一気に転がり落ちた原因は、8月末の転倒だ。その後、近所の整形外科にも通ったし、いつまでも痛がるので入院までした。しかし、リハビリ病棟を経て退院させられた後も、祖母はいつまでも痛い痛いと騒ぐ。あまりに芝居がかった騒ぎ方に見えて、自宅に来るベテランのヘルパーさんは「甘えですね」と言い放ったそうだし、母も「構ってほしくて騒いでいるのだろう」と思っていた。
 しかしあまりにいつまでも騒ぐので、母は途方に暮れて都立の「ペインクリニック」なるところへ連れて行った。すると驚いたことに、「かなりひどい腰椎の骨折がある」と言われたそうな。レントゲン写真には、(素人の)母にもはっきりと分かるような骨折跡が写っていたそうだ。普通なら3ヵ月もあれば治るところ、老人で骨粗鬆症があるので半年は固まらないだろう、これは痛いだろう、と、親切な医者が説明してくれたと言う。
 近所の整形外科でも、入院した病院でも、そんなことは一言も言われなかった、と母。一体何のために整形外科に通い、入院までしたんだ?!と、メールの行間から母のいらだちがにじむ。病院の人たちも、ベテランのヘルパーも、母自身も、実際に骨折があって痛い痛いと騒ぐ祖母を、単に「わがままな老人が構ってほしくて騒いでいる」と見ていたわけだ。
 ・・・だからと言って、私は別に誰かに腹を立てる気にもならない。祖母は、今さらながら骨折があることを発見してもらって、まだ運が良かった。みんな忙しくて疲れていて、すべての老人一人ひとりとゆっくり丁寧に接する余裕なんてとてもないだろう。実際に「単なるわがまま」で騒ぐ老人は山ほどいるのだろうし、本当に怪我や病気があるのに「年寄りのわがまま」で片付けられて相手にしてもらえない老人もゴマンといるだろう。本当に痛くて具合が悪いのに、騒いでうるさいと虐待されている老人だって少なくないハズだ。
 解決策は、とっとと死ぬことだけ。要介護状態になんてなる前に、とっとと死ぬに限るよ、まったく。

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