脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

Inside you have strong root 

2019-07-12 | Weblog
ブログで時々Karate kidのことを挙げているが、それらは私が好きな映画で内容はすごく単純であるが、この映画を見るとアメリカ人が日本の武道と言うものをどうとらえているかということがわかる。その映画でこういうシーンがあった。確か1980年代に上映されたKrate kid 3だったと思う。空手を教える老人が盆栽の店を出そうとしているので、その友人である主人公ががけにある盆栽の苗を必死の思いでとってくるのだが、その盆栽をこともあろうか敵対するグループにとられて枝を徹底的におられてしまう。
しかしその盆栽が何日かたってその老人によって復活させられる。あれだけぼろぼろにされたのに見事に復活した盆栽を見て驚く少年に、老人はこういう「inside you have strong root, no need nothing except what inside you to grow. Understand!(大事なことはあなたの心に強い根を持つことだ、あなたの心を成長させろ、それ以外に必要なことはない)」
実際にこの映画では最初肉体的な強さを求めて戦うが、その肉体的な力が限界になり、窮地にたたされる。しかしその窮地に立たされた時にミヤギが少年にアドバイスすることで、その気持ちが内なる世界に向かい、そこから力を得た少年が起死回生のごとく立ち上がり、勝利していくのだ。おそらくこの映画の作者は日本の武道と言うのを肉体的な強さよりも精神的な強さとしてとらえているのだろう、Krate kid 2では日本人の生活をかなり時代錯誤にとらえていたが、しかしこの映画を注意深くみると、作者が日本の武道をリスペクトしていることがわかる。
半分以上日本人ではないと思っている私だからこそ理解できることであるが、日本の武道の精神は素晴らしい。勝負には関係なく勝っても負けても相手をたたえることができる余裕、そういう余裕が日本の武道にはあると思う。現にこの映画においても自分に害をあたえてきた人間たちをたとえ勝負に勝ってもそれをゆるし、改めて相手をリスペクトするというシーンがあるが、あれだけやられたら普通はここぞとばかりにさらにボコボコにしたり、相手に何かとどめをさしてやろうと思うのだが、しかしそれでも相手をゆるし、そしてたたえるのである。怒りやみじめさやおごりをすててただ相手をリスペクトするのは心が強くないとできないことだ。そしてそれは特に自分が負けた時はそうであるが、しかしこれができるから人間の心が成長して豊かにされていくのだと思っている。きれいごとに聞こえるがstrong rootと言うのは人を愛したり、リスペクトする気持ちから生まれるものだ。かっこよく言えば愛の精神に根差すことだと思っている。怒りや憎しみそして見栄や虚栄心からは何も生まれない。人を愛したり愛されたり、リスペクトすることは人間の原動力となる。人間は自分が愛されている、リスペクトされていると思えるから強くなれるそれがstrong rootであると思う。そしてこういう気持ちが持てるのは自分もまた誰かによって愛されリスペクトされてきたからである。私がここで大事にしているのはお互いがリスペクトできること、そしてそのことはまず私がどのような相手に対しても、私がトレーナーたちからされてきたように心からリスペクトできるかということだと思う。私はここで人をたたきのめしてではなく、リスペクトされることによって心の根を持ち、自信をつけてほしいと思っている。人を心からリスペクトする。そのリスペクトすることで人間は自信が持てるというのが私の考え方だ。アホな競争は自尊心を傷つけるだけ、運動音痴でもへたれでも、いやそうだからこそその人にはリスペクトされるところはあるのだ。そういうところをよく見て本当に心からその人をリスペクトしたいと思う。




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