脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

Keep it true!

2009-11-06 | Weblog
私は現役時代そうたいした才能のある選手ではなかった。
スピードや技術などはジョージのトレーニングや実戦を通して、かなりついたのだが、しかし総合的に言って並の選手で、むこうでいえばいくらいってもBマイナスの選手である。
そんな私がこの米国でそこそこできるようになったのは、ジョージの出現とドクターの存在で、私はこの二人には非常に感謝している。
特に私にとってドクターの存在は、今まで経験したことのないボクシングを知るきっかけとなった。
彼はその頃からVCRで選手の動きをチエックして、われわれにそれを見せてここをこうしたらもっといい動きができるなどと研究したが、当時日本では体育会系では水を飲んではいけないという時代であったので、ビデオを見て研究するなど、プロでもないので、ありえないことであった。
ビデオは非常に練習の約に立つ道具だと思っている。
当時の体育会系では試合が終わった後に、反省会をもたれるところが多かったと思うが、私はよくわからない。ひどいところになると負けた奴は、学校まで走って帰れといわれた時代である。
しかし反省と言っても人間が相手の試合のことを、どれだけおぼえているだろうか?たとえメモをとっていたとしても、それはたかだか知れているのではないか。
スコアラーみたいな人間がいて、きちんと分析してチェックしているのなら別であるが、ただ監督が選手をあつめて、ああだこうだと言っても、あまり意味がないというか、選手には響かないと思う。
向こうでは終わってそのような反省会をすることはなかった。
日本のように形式的なものを重んじる国ではなく、合理性を重んじる国だから、根拠のないミーティングや反省会をやらないのが普通である。
なのにそういうことをお決まりのようにやってしまうのが、当時の体育会系である。
しかしわれわれはVCRのチェックはしっかりした。
やはり実際そこには映し出されている自分の試合があるので、なんといっても説得力がある。ある運動クラブでは、スパーリングや試合がおわった後に先輩にアドヴァイスを求めたらしいが、そんな先輩にアドヴァイスを求めるよりも、一目瞭然、技術を向上させるためにビデオを用いるのはベストな選択である。
私はこの作業をドクターから根気よくさせられたのだが、このことを繰り返していくうちに自分がどういうボクシングをしているかということが、客観的に見えきた。よくサッカーでも選手はフィールドの中よりも、むしろ観客席の視点で競技することを説いているらしいが、まさにボクシングにおいても、客観的に自分を見るということはそういうことかも知れない、客観的に自分を見ることによってまさに相手が見えてくる。
私はシュミレーションをしっかりやって試合に臨むタイプであるが、そのシュミレーションがしっかりできるのは、まず自分をこのビデオでよく知ることができたからだと思っている。
私は天才と言う人間に出会ったことがあるが、天才と言うのは操作性にすぐれていて、どんな相手にもその場で対応し、見事その勝ちパターンにもっていける。
しかしわれわれは天才ではないので、そういう臨機応変に相手に対応し、勝ちパターンにもって行くことはできない。
だからこそわれわれは自分を十分に知って、どういうボクシングをするかいうことが必要なのだ。
ラッキーはこのことを十分に理解しているせいか、どんな試合でもビデオを持ってきて撮影しているが、現に何人かの選手は、それを参考にしてやっているのだろうかなり進歩が見られる。
同盟ジムのことを書くのは、身内びいきになるが、私はラッキーはかなり研究しているボクシングクラブであると私は断言できる。
オーナーやチーフトレーナーの考え方や、実際の行動に出ているが、今までの権威主義を投げ捨てて、会員の対場に立っている今までにない、ボクシングクラブのありかただろう。
よく言葉では体力年齢にあわせるとか、会員の立場に立つというところはあるが、実際に研究と言う点では不十分なところが多く、ラッキーのように研究熱心なところは少ないであろう。
今では試合のビデオを撮るのはあたりまえだが、しかしそれを十分に研究材料にし、実戦にやくだてているところは少ないと思う。
ビデオというのは第3の目である。
その第3の目を通して、われわれはもっと自分自身を知る必要がある。
















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