ジムに入る前は体温をチェックします。37度以上はジムでトレーニングできません。入ったらアルコールで手と指先を消毒してください。アルコールは70%から75%のものを使用しています。 ジムではマスクを着用してトレーニングしてください。尚マスク着用に関してご事情のある方は遠慮なく申し出てください。
うちの子供が小学生の時、冗談ぽく、医学や化学が進歩する中、クローン技術などをもって人間は永遠に生きることが可能になるんじゃないかと言ってきた。すかさず「君は永遠に生きたいのか?」と聞いたら「えっ」と言うので、私は「俺は永遠に生きるなんて言う退屈な生き方はしたくない。人間にとって時間が永遠ではなく限られたものであるとわかるから思い切り生きることができるんだ。だからただ永遠に生きるなんてつまらないことだ。自分にとって今この時が自分に与えられた時間だ、この時間を自分だけに与えられた貴重な時間として生きるからこそ生きることの意味がある。だからこの世は永遠ではないということを受け入れることは人間らしい覚悟だ。」と言った。
ハイデガーは世界をザインとザインデスと言う言葉にわけた。ザインというのは存在そのもの、そしてザインデスは存在者と言う意味だ。人間は存在者である。存在者であるということは、人間だけがここに存在していることを認識しているから時間の感覚が持てる特別な存在であると言うことだ。ウサギや犬は時間の感覚を持たないのはただそこに存在しているからだ。
人間が時間の無駄と感じるのはただ存在しているのではなく、その存在そのものを認識できる存在者だからだ。そう考えると人間だけが時間の感覚を持ち、それをどう生かすは人間次第であるということが言える。彼はその著書「sein und zeit((存在と時間)」の中で時間は我々の外側を無関係に流れているのではなく、人間にはあるべき未来を目指す未来と自分がひきうけなくてはならない過去が存在すると言っている。ザインデスである人間だけが時間の感覚をもつことができるのは、それは時間はただ流れるものではなく自分にとって与えられたものだからだということを知っているからだ。時間と言うのは平等に与えられる。それを巻き戻すことはできないし、かといって早回しする必要もないだろうが、しかし我々はその与えられた時間時間を大切に有効に使うことができる権利と特権があたえられているのだ。引き受けなくてはならない過去の時間を巻き戻して未来の時間を浪費するよりもこれから始まろうとする時間を大切に有効的に使うことで、人間はよりよく生きることができる。
確かにハイデガーによれば人間は死に向かう存在であるが、しかしその与えられた時間を有効的に自分のために使うことができるのが人間で、そこに人間を人間たらしめるものがあるのだと思う。