ルネ.ジラールは人間には自発的な欲望がないという。例えば食欲は要求であるから、食欲ならば何かを食べれば満たされるわけであって、欲望は厳密に言えば対象を選択するものである。ジラールは欲望を「媒体」「対象」「主体」というシステムにおいて、これらの関係を「欲望の三角形」という風になづけたが、かいつまんで言うと「媒体」は宣伝であり、例えば有名ブランドの服を欲しいと思うのは有名人が着ているからで、この有名人が「媒体」となり、「主体」すなわち消費者である我々に「対象」としてのもの欲することを煽っている。これが彼の言う「欲望の三角形」である。少しかたちは違うが、この欲望の三角形のシステムは、スポーツにおいても大事な事だ。まず自分の対象として目的がある。目的とは自分がどうなりたいかということであるが、しかしこの目的は媒体がなければ達成することはできないだろう。言い換えればそれを手本とする人、あこがれの存在、あるいはライバルの存在が必要であるということだ。自分の友人はゴールデングローブをとった時、メインランドであこがれのチャンピオンにあって少しだけ話すことができたらしい。その時彼は「自分はずっとあなたにあこがれていました。私はあなたのようになりたい」と言ったらしいが、これは決しておべんちゃらのようなものではない、たぶん彼がずっと彼のようになりたいとあこがれ願っていた。その気持ちが彼をゴールデングラブで優勝させたと思っている。ボクシングが上達したいと思うならば、まず手本となる人物やライバルを見つけることである。
余談であるが自分は以前会員の人たちにボクシングは型がないから上達の秘訣は人のまねをしてコピーすることだ、そしてそのコピーがいずれオリジナルになると言っていた。いきなりレベルの高い人間のを見てそれをまねするんじゃなく、自分よりも少しうまいぐらいこれだったらコピーできるなというぐらいの人間を観察してコピーしろ、そして徐々にレベルをあげていけと言っているが、自分がうまくなりたいという欲望をまさにライバルやヒーローの存在で高めていく、それがボクシングの上達法ではないかと思っている。
ジラールではないが人間の欲望は、その媒体であるヒーローやライバルによって高められていく、まさに自分たちがライバルやヒーローをもつということは、ボクシング上達の第一歩なのだと思っている。
余談であるが自分は以前会員の人たちにボクシングは型がないから上達の秘訣は人のまねをしてコピーすることだ、そしてそのコピーがいずれオリジナルになると言っていた。いきなりレベルの高い人間のを見てそれをまねするんじゃなく、自分よりも少しうまいぐらいこれだったらコピーできるなというぐらいの人間を観察してコピーしろ、そして徐々にレベルをあげていけと言っているが、自分がうまくなりたいという欲望をまさにライバルやヒーローの存在で高めていく、それがボクシングの上達法ではないかと思っている。
ジラールではないが人間の欲望は、その媒体であるヒーローやライバルによって高められていく、まさに自分たちがライバルやヒーローをもつということは、ボクシング上達の第一歩なのだと思っている。
参考文献「ルネ・ジラール」 クリスティーヌ・オルスィニ 白水社