脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

宗教学と海外のニュース

2020-10-19 | Weblog
私が親交があるのは日本人に限らずアジア人全般である。フレンチは人によってはうまがあうのでずっと付き合いのある人もいるが、しかしどちらかと言うと欧米人よりもアジア人の方が長く付き合っている人たちが多い。
私は宗教学を勉強したのだが、おそらくその国の人々が持っている宗教はその国の人間の考え方を表すと言ってもいいだろう。私の友人の多くがどうしてもアジア人になってしまうのは、おそらく我々のバックボーンによるものだ。アメリカ人は自分にとってベネフィットあるいはプロフィットがなければ協力しない、しかしアジア人は人間関係大事にし、人のために動くと言うのが私が持つイメージで、私は利益を重視する欧米のスタイルにはあまりなじめないところがある。今から書くことはおもにアメリカなどのプロテスタントが主流を占めてきた国についてであるが、マックスウエーバーの「The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism 」と言う本がある。原文はドイツ語であるが、日本語訳では「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」と言うタイトルで岩波文庫から出ているので少し文章がかたくて読みにくいが、これを読むと欧米人の労働や仕事や社会に対する考え方が見えてくる。今までは社会の中心であった修道院が労働することをうながし、修道院でもOra et labora(祈れ、働け)と労働は神から与えられた義務であったが、しかしReformed charchが台頭することによって、働いて利益をたくさん得ることは自分たちが神から祝福されている=救われていると言う考え方にシフト、ここから欧米人にとって、利益は神が当然与えた報酬であるということにつながっていったのだと思っている。それまでの修道院はIndulgentia(現在の日本語訳では贖宥状、我々は免罪符であったが?)を発効することで人間の罪をゆるしてきた(ちなみにIndulgentiaの英語の派生語Indulgence は大目に見ると言うことである)。しかしProtestant Reformationによって、いや救いは人間が修道院や教会を通してではなく、救いを得るためには神と直接向き合うことが大事だと言うことになり、そこから労働に対する考え方がかわってきた。今までの修道院主体の考え方ではなく、自分たちで答えを見出そうとしたのだが、マックスウエーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は宗教改革の精神を受け継ぎ、それを資本主義世界にもたらしたのだが、これらのことを考えると西洋人が利益中心であることは理解できる。
これに対してアジア人は因果応報と言う言葉があるように常に相互関係において人間関係を考える。因果応報については詳しく説明する必要もないと思うが、欧米人の人間関係は上から見るが、アジア人は横に見る、すなわちすべてのものはつながっていて、そこで誰かと出会い、何かあって人を助けたり、協力したりするのも何かの縁であると考える、プロテスタンティズムの概念では神の救い=どれだけ富を築くかどれだけの利益を神からいただいているかであるが、しかしアジア人にとって大事なのは利益ではなくて行いである。

私は英字新聞や英語の記事をよく見ている、特に見ているのがRadio Free Asiaと言うアメリカの議会が発表しているものであるが、これらのものを日本のマスメディアと比べたらかなり違う、日本は老人が暴走したとか、誰々が不倫したとかそういうことが大半記事にされることが多い。しかし海外のメディアはもっといろいろなこと例えば紛争やテロなどにも深い関心を持って報道しているのがわかる。ただ外国の記事をよく理解するためにはその背景にある宗教や思想を知らなくてはならない。日本人は優秀だが、しかしこと海外となると消極的である、これは自分たちの子飼いには親でも言えないことを平気で言うが海外では借りてきた猫の子のようにおとなしいスポーツ指導者たちを見たらわかることだ。相手のことがわからなくてはどう行動していいのかわからないのは当たり前だ、私は相手を知るためには宗教や哲学を知ると言うことは必要なことだと思っている。

欧米人は砂漠的思考らしい、砂漠では嗅覚が大事だだから鼻はその獲物や食料を得るためには大事な感覚である。だから欧米人は鼻を殴られるとすごく抵抗がある。これはテロのガイダンスにも相手の戦意を喪失させるために懐中電灯で鼻をなぐれと言うマニュアルがある。私はこれらのことを知って思った「ああ西洋人は鼻を殴られるのがいやなんだ、じゃあそこをねらえば」と、しかしそうは思っても実戦ではなかなかねらうことができなかった。



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