脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

えっ誰それ?

2020-10-07 | Weblog
ジムに入る前は体温をチェックします。37度以上はジムでトレーニングできません。入ったらアルコールで手と指先を消毒してください。ジムではガイドラインを参考に行動してください。また水分補給は十分におこなってください。 アルコールは70%から75%のものを使用しています。

この私の体験は当時の欧米と日本人の考え方の違いをあらわしている。
昔日本人の大学の先生に誘われて食事に行った時に、普通に話していて何気なく先生に「お前は能力があるからそれなりにきちんとした道を歩めば出世できる、でも性格が自由すぎてうーんっ」みたいなことを言われた。「えっ俺普通に生きてませんか、でもただ会社勤めとかそんなんじゃなく、とにかく自由に生きたいです」みたいなことを言ったら、ハハハっと笑って「お前は前田慶次か」と言われた。
今では有名になっているが、当時は「えっ誰それ?」だ。かなり皮肉っぽく言われたので、気になって調べたのだが、見たら逸話こそのこっているが、ただ自由奔放に生きたいい加減な大名くずれ、おまけに俺は雲のように生きたいとか社会不適合型まるだしの発言、かっこよく描けばそれなりに魅力はあるのだろうが、しかし先生が言っている本質的なことは私が社会不適合型であるということだ、それを少し皮肉っぽく言ったのだ。その時俺をこういう見方をしとったんかいと少しショックを受けたが、私がよく教師から言われたのは協調性がないという言葉だが、まあそう言われても仕方がなかったと思う。

しかし一方、自慢になるが欧米の人は少し見方が違った。特にヨーロッパ系の監督は私のことを高く評価してくれていた。彼曰く私は賢くて決断できるからリーダーにふさわしい、かなりの高評価だ。それは彼だけではなく、ピーターやチームメイトもそう評価してくれていたと思う。ざくっとした意見だが当時の日本人は人の能力を組織と言う枠で見る傾向があった、協調性とかそういうことをやたら求められるので私のような自由奔放な人間はまさに不適合で、必要のない人間である、一方欧米は個人主義で個人の個性を重視する、たぶんそういう上では秀でているものがあったのだろう、そこを評価してくれていたのがコーチであったと思う。ただ欧米の欠点はいいところしか見ていない、そして悪いところがあっても日本のようにそれを言わないところで、いいところだけを見つけてそれを伸ばしていくというやり方は、必ずしも賢明ではないだろう。
私はコロナ禍において改めて協調性は大事だということを思ったことは確かである。今まで協調性なんて必要ない、大事なのは個性だと思っていたが、しかし外国のようにあえてロックダウンと言う厳しい制限を課さなくても、コロナ禍や災害時に秩序を守って、助け合っていく姿は、まさにその日本人の協調性がアドバンテージとして出ていると思う。私は今こういう何がおこるかわからない時代であるから、協調性を重んじることは間違いではないと思う。スポーツはやたら個性が大事と言う、サッカーなんかでも相手にパスを回さないで自分にゴールを決めろと、あたかも協調性を持つことが日本人の弱さだ見たいなことをいっていたが、しかしそれはスポーツの話、人に配慮したり、思いやりの気持ちを持って親切に人に接したり、助けたりすることは正しいことだ。よくよく考えてみて外国人に日本人は個性がないと言われて、はいそうですかではなく、なぜ自分たちのそのアドバンテージを主張しないのか不思議である。うちのクラブは競争がないクラブだからそうなのだろうが、ベテランの人があえて手をとめてビギナーなどにミットをもってくれたり、教えてくれたりするのは、共同体感覚によるものだろうが、これらは一つの助け合い、協調性からでてくるものだと理解している。私のいたところではそれこそ競技者どうし教えあったりと言うことはあまりなかった、外国では全員がライバルだ、だから自分が習得したことをいとも簡単に人には教えてくれない、しかし日本人はあえて自分の手をとめて一生懸命教えてくれる、それは同じ共同体の、同じ仲間であるからだ、そういう感覚を日本人はどの民族よりも持っている、ここが欧米の人たちとも差であると個人的に思っている。
日本人が言う個性と言う言葉は、協調性が強くてステレオタイプの日本人に対して、そんなんじゃああかんと言う意味で出てきたのだと思うが、しかし個性は単なる自己主張ではなく、欧米で言う個性は神が与えた人格を大事にすると言うことだ。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする