農水省が、農業の6次化の奨励として、攻めの農業であり輸出産業としての象徴として、何を血迷ったか「日本食」の輸出を言い出したのである。2012年度は、輸出農業は4500億円であるがこれを、2020年には1兆円にするというのである。「日本食」を攻めの農業、輸出農業の象徴にというのである。アベノミックスの、第3の矢の成長戦略になるというのである。
確かに日本食は、健康的でヘルシーであり美味しく安全性も高く評判は。どの国でも低くはない。何も知らない方々は、まことにけこうなことと何気なく思うことであろう。
ところが、農水省が掲げた日本食は、味噌、醤油、豆腐や納豆それにうどんやラーメンである。この原料になっている、大豆も小麦も自給率は低く、国内の生産量は5~10%である。
これらの加工品を輸出することは、日本農業とは何の関係もない。通産省が出すなら加工産業としての奨励にはなるだろうが、農水省が農業の6次化の一つとして打ち出したから、お笑いである。食文化の輸出なら、文科省が担うべきである。
日本食を海外の売り込むことよって、地方の活性になり、農産物を、作って(1次)加工して(2次)売る(3次)ことで、6次産業の象徴的産業に育て上げると、農水は謳っている。この産業振興は、原料の農産物をほぼすべてを輸入に頼っているため、輸入産業の奨励の他ならない。農業とは無縁奨励策である。
とてもお勉強ができ、難関を突破して有名国立大学を出て、国家公務員の難関にも耐えたのであろう、官僚の机上論でしかない。田舎にいるとあまりにもこうして現実を知らない、官僚の作文に出くわすことが多すぎる。アベノミックスは机上論の虚飾に彩られた、マネーゲームで終わるだろう。