小沢一郎が民主党幹事長として、24人を引き連れて政府との折衝のために官邸を訪れた。訪れたというよりも、殴り込みをかけたと言った感じである。来年度予算編成に四苦八苦する鳩山政権に、いくつかの要求を突き付けた。助け船に、鳩山は喜んだ風に見えなくもないが、こわもての要求に閣僚からは笑顔が消えたと伝えられている。
暫定税率、子ども手当、高校の無償化、地方財源などの見直しを突き付けた。国民の要望であるとおこがましい付則をつけた。民主党は小沢に陳情を一本化してしまった。彼らの言うことは国民の声というわけであろうか。要するにマニフェストの修正を提案したのである。原因は、金がないことであるがそんなことはおくびにも出すことがなかった。
ガソリンなどの暫定税率は、そもそも次の道路を作るための“暫定”の税金であったはずである。ガソリンの価格が安定しているので、これを維持するとするのはおかしい。目的税としての性格が不要になったり、業者の食い物や利権の場と化しているので廃止するはずだったのである。
埋蔵金は思ったほどなく、金がないからこの税金を残すとするのは、理念を捨てたと言われても仕方がない。ガソリン価格が安定しているから残すなどとは、理念を捨てた公約違反である。環境税に切り替えるなら、その目的が生じたのであるから懸命に説明すればよいことでありう。
子ども手当もあれほど一律支給にこだわっていたのであるが、所得制限するよう小沢に要求された。定額給付金を一律にしろと自民党にねじ込んだのをお忘れのようである。これでは、選挙期間中に掲げていた、子どもは親のものではない。社会全般で子どもを支援するとしていた理念を捨てたことになる。
小沢は党を仕切る。政府は鳩山に任せたと言っていたのではなかったか。こうした動きに、反小沢と小沢系の閣僚の意見が割れている。今後すんなり小沢の要求が通るようだと問題である。午前中に師と仰ぐ田中角栄の17回忌法要に行って合掌した小沢の、闇将軍ぶりがあらわになってきた。
権力と挫折を十二分に熟知している小沢一郎だから、できる事です。
逆らった者は徹底的に潰してきた彼の手法を民主党議員はしっています。選挙戦術に長けているのも総選挙で目の当たりにした事でしょう。
しかし、国民の目にはどう、映るでしょうか?