そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

酪農は原点に戻ることでしか未来はない

2023-07-24 | マイペース酪農

酪農に限らず日本の畜産は、アメリカの穀物を大量給与することで、外形的には発展してきたと見えた。畜産の生産効率は他農業の伸びを圧して急成長した。その成長を支えたのがアメリカの輸入穀物である。
昨日の北海道新聞の記事は、地帯で酪農を知らない人たちに衝撃を与えた。何で牛がいなくなったのか変だと思っていたとか意見を頂いた。記事は一面トップで、「放牧酪農 今こそ脚光」というものであったが、サブタイトルに「小規模でも持続性」とあったが、むしろ小規模であるからこそ持続可能、ずっとやっていけるのである。
記事は足寄に主に新規就農者の数字を全道平均と比較している。全道平均(この中には小規模農家も含まれるが)の5分の1程度の生産高であるが、コロナ禍にあって100万円近く赤字であるが、放牧農家は僅か3.1%減収したに過ぎない。大規模化を進めた国策の姿勢である。
世界の農業は、小規模家族型経営へそして有機農業へと大きく舵を切っているが、日本は世界で最も有機農業地の面積はもちろん規模も少ない国である。国が大規模農業を奨励しているのも、日本しかいない。
21世紀は大気にも大地にも優しい環境保全と、健全で適量な食料が可能な限り均等に与えられなければならない世紀である。
穀物依存型の畜産は、家畜に大きな負荷をかけ、採卵鶏では狭い檻で中空だ餌だけ与え続けられているし、豚も牛も同様である。家畜を生命ある個体として後買おうという世界的な動きのアニマルウエルフェア(家畜福祉)にも反する。
採卵鶏の巨大鶏舎は鳥インフルエンザに感染は、大量の国費を投じて処分される。生産される水っぽい卵は、物価の優等生と持ち上げられているが、このところの天文学的な国費の投入は国民の税金で賄っている。本当に安いかどうか疑問である。
放牧酪の牛たちは健康で健全な牛乳を生産してくれる。大地も汚さなければ、農薬さえ必要ない。のんびりと反芻する牛たちは平和の象徴でもある。


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