そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

富の偏在、格差社会の進行こそ政治の取り組み最大の命題である

2021-12-26 | 格差社会

世界上位1%の超富裕層の資産が今年、世界全体の個人資産の37.8%を占めたことが、経済学者ら100人超による国際研究で分かった。下位50%の資産は全体のわずか2%だった。コロナ禍で落ち込んだ景気への刺激策で株式などの資産価値が急騰、格差が一段と広がった。
特に最上位の2750人だけで3.5%に当たる13兆ドル(約1490兆円)超を占め、富の集中は鮮明。研究報告書は「不平等は今後も広がり続け、巨大な水準に達する」と懸念し、富裕層や巨大企業への課税強化が不可欠だと訴えた。
日本も富の分布は「西欧ほどではないが非常に不平等だ」と指摘した。>(ワシントン共同)共同通信社の本日の記事である。
資本(お金)は新たな資本を得るために肥大化し、肥大化はまた新たな資本を獲得しさらに肥大化する。資本主義社会は往々にして自由主義社会と呼ぶ。資本主義社会は自由主義社会ではない。資本主義社会で自由を謳歌するのは、資本家であり資本そのものである。資本はそのため規制を嫌う。
コロナ禍で多くの規制が外され、もしくは適用外となり、あるいは巨大資本の経済活動に国家も社会も依存する選択をしたのである。その結果が上記の共同通信の記事である。
世界の1%の資産が40%近くなる」のも驚きであるが、「下位50%の資産が僅か2%」というのはもっと驚かされた。
ある意味、コロナ禍は資本主義の本質を露わにしたといえる。政治はこうした富の偏在を分散することが使命である。富の再配分こそが、政治のやらなければならないことである。経済を理由に富める者を更に富ます政治が横行している。貧困層つまり弱者から税の徴収は容易である。こうした事態下では、不平等の進行は激しくなる。
政治はこうした時ほど、学ぶことも負いはずである。格差社会は資本主義社会について回る命題である。富の生産を促すのではなく、社会資本の充実にあわせて富の平準化は政治の命題である。徒な成長戦略は、富の偏在、格差社会が産まれる根源となる。


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